今回は

主婦(妻)の老後にもらえる年金

についてお話いたします。

 

前回は、

『主婦(妻)の年金と健康保険 夫が定年退職したらどうなるの?』

という内容で、夫の動向によって妻の年金と健康保険が

変わってくるというお話をいたしました。

 

今回は、主婦(妻)の方を主人公として、

老後にもらえる年金の種類をご紹介していこうと思います。

 

また、女性の方の場合は、新卒入社、ご結婚や退職、出産、

パートタイマーで働くなど、さまざまな出来事が男性よりも

多く起こると思います。

 

ご本人は意識できないことですが、

この間年金制度においてはめまぐるしく変更手続きが行われています。

具体的には被保険者の種別の変更手続き、

被保険者には3つの種類がありますが

この3つの行き来が頻繁に行われるわけですね。

 

何が言いたいのかと言えば、

女性の方は男性に比べて『年金記録のもれ』が発生する

可能性が高いということです。

 

では、どのような点に気を付ければよいのか。

何をみれば確認できるのか。

このあたりもご紹介していきたいと思います。

 

 

まず、主婦(妻)の老後にもらえる年金。

3つのケースを想定します。

 

1)ずっと専業主婦であった場合

2)新卒での入社やパート勤務などで働いた場合

3)共働きでしっかりと会社務めなどをした場合

 

ずっと専業主婦であった場合

原則65歳から、

国民年金の『老齢基礎年金』をもらうことができます。

 

保険料を40年間支払った場合、令和2年度であれば、

満額年額約78万円(月額約6.5万円)がもらえます。

 

それと夫婦ともに条件に合えば、

振替加算という加算額も追加されます。

 

老齢基礎年金の金額は保険料を支払った月数で決まります。

40年なら年額約78万円、35年なら約68万円、

30年なら約59万円、25年なら約49万円となります。

 

旦那さんに扶養されている場合は、

旦那さんの厚生年金保険料に

奥さんの年金保険料を含まれています。

奥さん自身の負担はありません。

 

新卒での入社やパート勤務などで働いた場合

共働きでしっかりと会社勤めなどをした場合

もらえる年金の種類は一緒の可能性が高いので

まとめて解説いたします。

 

この場合、原則65歳から、

国民年金の老齢基礎年金と厚生年金の老齢厚生年金の2つを

もらうことができます。ただし、

 

国民年金保険料を原則10年以上払っていること、

厚生年金へ1ヵ月以上入っていることが必要です。

 

旦那さんの扶養に入って10年以上、

とバート勤務で厚生年金1ヵ月加入でも条件を満たします。

 

この10年以上と1ヵ月以上の条件を満たすと、

原則65歳から、国民年金の老齢基礎年金と

厚生年金の老齢厚生年金の2つをもらうことができます。

 

それと夫婦ともに条件に合えば、

振替加算という加算額も追加されます。

 

また、国民年金保険料を原則10年以上払っていること、

厚生年金へ1年以上入っていること、

生年月日(昭和41年4月1日以前生まれ※公務員の方は除く)

この3つの条件を満たすと60歳代前半から

老後の年金をもらうことができます。

 

『特別支給の老齢厚生年金』と言います。

60歳代前半から『特別支給の老齢厚生年金』

65歳から国民年金の老齢基礎年金と

厚生年金の老齢厚生年金の2つをもらうことが

できるということですね。

 

厚生年金の老齢厚生年金の金額は、

ざっくり言うと給料などの金額と厚生年金への

加入期間によって決まります。

 

ですので、

2)新卒での入社やパート勤務などで働いた場合、と

3)共働きでしっかりと会社勤めなどをした場合、

の2つを比較すれば、共働きでしっかりと働く方が

給与額は多く勤続年数は長いため、

老後の年金額はより多くなります。

 

次に、『年金記録のもれ』についてお話いたします。

 

冒頭でお話した通り、

女性は男性に比べてさまざまなイベントが多く起こります。

 

そのため、『年金記録のもれ』が発生する可能性が

高いとお伝えしました。

 

年金制度の被保険者の種別がどうこう、

というお話もしましたが、

細かい制度の説明は必要ないと思います。

 

ここでは『女性の方に注意してほしい年金記録、

注意してほしい経歴』を紹介していきたいと思います。

 

・結婚する前に会社なで働いていた経歴がある

・短期間、短期契約で働いた経歴がある

・働いていた時に試用期間中に辞めた経験がある

 

この3つは、

厚生年金に加入したかも知れない経歴となります。

 

・結婚して苗字が変わった、読み方が複数ある苗字

・特別な事情のため本名や生年月日を偽って働いた経歴がある

 

など登録間違えの可能性がある内容となります。

 

では、記憶をたどったり手帳や日記などを見返したりしたところ、

該当する経歴などがあった場合はどうやって調べるのか、

照らし合わせるのか。

 

お手元に封筒版のねんきん定期便(35歳・45歳・59歳に届く)があれば、

同封の『これまでの年金加入履歴』の書類で確認できます。

 

お手元にない場合は『ねんきんネット』の

「年金記録の確認から」これまでの年金制度への加入状況を

確認することが可能です。

 

お問い合わせはお近くの年金事務所

または街角の年金相談センターへご相談ください。

 

新たな、正しい経歴を証明できると思われる書類

(手帳や日記、メモ、年賀状や社員旅行のしおり)なら、

すべて見せられるよう準備して相談してみてください。

現在は面会が難しい状況ですので、

訪問する前に一度電話をしてどのような手続きとなるかご確認ください。

 

ご参考になれば幸いです。