相手の懐に入る技術(営業編)

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営業職のストレス

営業の仕事は大変です。私も10年以上やっていたから実感があります。

毎月の売上目標(ノルマ)を達成すべく、日々新規顧客の発掘や既存顧客へのフォロー、
癖のあるお客様や話が通じないお客様もいて千差万別。上手くまとめるのも一苦労です。

また、売上未達成の場合には上司への報告書を練り直したり、新しい企画案を考えたりと、
納得してもらう仕事も出てきてしまいます。

振り返ってみると、大変と感じることはすべて「人間関係」だったような気がします。

例えば、

社内稟議や経費精算が面倒な作業で納得できないから会社ではやっていけない。

売上の予算と実績をまとめる表の作成が複雑すぎて転職を決意した。

朝の朝礼や社訓の詠唱が嫌でもう限界。

という人はあまりいませんよね。

 

もしかしたら・・・

 

人間関係が今より上手くできれば、もっと仕事自体が楽になるかも知れない。

 

はじめまして、便風社会保険労務士事務所の栗原と申します。

肩書は「社会保険労務士」ですので、

労働社会保険諸法令の手続きや就業規則なとの会社内のルール策定などが

一般的な仕事となります。

加えて、営業及び営業統括を約15年経験した中で独自に培ってきた

「社員の人付き合いが上手になる方法」を、縁あるお客様には一般的な仕事の傍ら

雑談としてお話しています。

いつもは整理せずにだらだらと話をしていますが、この話題で盛り上がることが

多くなってきたので、サイト公開のこの機会にまとめてみようと思いました。

営業編と電話編、そして社内編という場面ごとに整理してご紹介しています。

今回は、営業編です。

 

では話を戻しますね。

 

いきなりですが、お聞きします。

あなたがお客様を訪問する時、顧客リストを眺めますよね。

その時、すぐ電話できる人と緊張して電話したくない人に分かれませんか?

言い換えれば、気が合うお客様と気が合わないお客様に分かれませんか。

お恥ずかしながら私はきっちり分かれました。

気の合うお客様はすぐ電話できて訪問が決まるのですが、気が合わないお客様への電話は
憂鬱で憂鬱で・・・。上司からツッコミが入るまで放置してました・・・。

ですが、もしもですよ。

あなたの顧客リストのお客様が全員「気が合う人」で

今後増えていくお客様についても「気が合う人」であったらどうでしょう。

楽でしょうね。約束がすぐ取れて楽しいでしょうね。

「楽でも売上が上がらなければ意味がない。」との反論が聞こえてきそうですが、

始めから多くを求めては上手くいきません。

最初は、今の仕事が楽になるよう目指しましょう。

 

顧客リストを「気が合う人」で埋め尽くすための方法をこれからお話していきます。

 

※「わたしの顧客リストのお客様は、すべからく気の合うお客様だ。」

という方には役に立たない方法だと思います。先にお断りしておきますね。

 

着手することは2つ。

 

1.気が合うお客様を増やすこと 

2.既存のお客様と気が合うよう心掛けること

 

となります。

 

もちろん、気が合って仲良くなれば商品やサービスが売れるとは限りませんが、

情報収集はしやすくなるので営業にとって損はない話だと思います。

 

もっと具体的にいうと

「気が合うお客様を見つけること」

「お客様と気が合うあなたになること」

 

??? 

 

シンプルに言い換えますね。

 

『あなたとよく似た人』を見つけること。です。

 

どうして『あなたとよく似た人』が、気が合う人になるのか・・・

 

あなたが『あなたとよく似た人』と会話をしている時を思い出してもらうと

なんとなく腑に落ちると思います。

 

その時の特徴として

♥ なぜだか話が弾む

♥ 言葉のキャッチボールが楽しい

♥ 話すテンポやリズムが一緒なので気持ちがいい

♥ 相手の考えや思考がわかるような感覚を覚える

♥ 気を遣わずに話をしている 

 そして、仲良くなっていた。

一度は経験があると思いますが、いかがでしょうか。

この関係になれる人は、「気が合う人」と表現してもいいと思います。

もちろん、「自分と似ていないから惹かれ合うのだ。」という意見もありますが、

その議論はまた別の機会に・・・。

 

はい、そうです。

『あなたとよく似た人』をお客様にしていく、というのが私の提案です。

 

ではどうやって見つけるのか

見つけるための手順をまずは書きますね。

1.あなたの特徴を把握する

2.お客様の特徴を把握する

3.特徴を見比べてみて、あなたとよく似たお客様を見つける

 

このような流れで『あなたとよく似たお客様』を選んでいけば、

より人間関係が築きやすい顧客リストが出来上がります。

 

もちろん「どんなお客様とも人間関係を構築するのが営業の仕事だ」と

思われるかも知れません。

私も上司からよく言われました・・・。しかし、行動より先に考える性格の私には辛かった、
お客様は皆違うのにそのすべてに合わせるのかと。

ご紹介する方法は、「どんなお客様とも人間関係を構築する」段階までも目指すことができますのでご安心を。

 

『あなたとよく似た人』が、気が合う人という理屈は腑に落ちましたか?

なんとなくそうかなぁで構いませんので話を続けていきますね。

 

ちょっとややこしいですが、

 

あなたが『あなたとよく似たお客様』と話すと気が合う。

 

ということは

 

お客様があなたを『自分とよく似た人』と感じたら気が合う。

 

ということでもある。

 

始めに話したのは、あなたが「自分とよく似た」お客様を見つける視点、

次に話したのが、お客様が「自分とよく似ている」とあなたに感じたら気が合う

というお客様の視点となります。

 

???の場合は、このまま読み進めていただき全体像を確認した上で

この部分に戻ってもらえるとイメージしやすいと思います。

 

続けますね。

「自分とよく似たお客様」を見つける具体的な方法に移ります。

1.あなたの特徴を把握する

2.お客様の特徴を把握する

 

まず、特徴をどのように決めていくかが問題ですね。

例えば「彼はいい人に感じた」や「彼女はとても優しい」という主観的なものは使えません。
人によって感受性が違うので、ばらばらの情報が集まります。

誰でも同じように分類できる判断基準が必要です。

 

そこで、私が東証一部上場会社の新人研修で出会ってから、

15年以上実践している「ソーシャルスタイル理論」をご紹介します。

ソーシャルスタイル理論は、1968年に産業心理学者のディビット・メリルと
ロジャー・リードによって作られた理論で、 人間が習慣的にとる行動傾向を4タイプで判別したものです。
簡単に言えば、人の行動を客観的に判断できる指標として使える理論ということです。

※以下、『Versatile Selling:Adapting Your Style So Customers”YES!”』
著者 ウィルソン・ラーニング・ライブラリー より引用・抜粋した記述がございます。

 

さすがに理論なので難解な文章となってしまいます。

下の図を見ながら少しずつ進んでいただければ幸いです。

ソーシャルスタイル

この理論では、人の特徴を2つの軸によって分類しています。

主張性と対応性です。いきなり難解な言葉が出てきました。

言葉を覚える必要はないと思いますので、判断基準だけおさえれば大丈夫です。

主張性とは、人の考えや行動に影響を与えようとするか否か、で判断します。

対応性とは、感情を表に出すか否かで判断します。

主張性は「断言するタイプ」と「問いかけるタイプ」に分けられ、対応性は「課題中心」と
「人間中心」のタイプに分けることができます。

主張性は「影響」なので、社内のランチの場面で例えると、上司が部下に対して
「お昼行くぞ!ついて来い!」となれば、部下の行動に影響を与えていると判断して主張性は強いとなります。
逆に「お昼行くけど、みんなはどうする?」であれば主張性は弱いと判断できます。

対応性は「感情」なので、表情が豊かで感情が読み取れる人であれば対応性は高いとなり、
無表情であれば対応性は低いとなります。
先程の例で考えると、上司の顔色から「腹減ってきたから早くいこうぜ」や 「早く決めろよ」がわかると対応性が高い。
ポーカーフェイスでよくわからない場合は、対応性が低いと判断できます。

この2つの軸によって作られる4つのカテゴリーにお客様を分類していきます。

 4つのカテゴリーをみていきましょう。

 

エクスプレッシブ(感覚派)

ドライバー(行動派)

アナリティカル(分析派)

エミアブル(親和派)

 

ドラえもんの登場人物で例えるなら、エクスプレッシブがジャイアン、 ドライバーができすぎ君、
アナリティカルがスネ夫でエミアブルがしずかちゃんのようなイメージでしょうか・・・。
この段階では何の事だかさっぱりだと思いますが・・・。

細かくみていくと、

 

エクスプレッシブ(感覚派)は、感情表現が豊富で行動に影響を与えようとする。
断言する傾向が強く、物事の視点は人を中心にして考えることが多い。

私の実体験で例を挙げると、「君が勧める商品なら導入してみるか」や
「他のお客さんはどの商品を選ぶの?」のような営業の人柄や他の企業の動向を気にする人が多く、
購入決定と勘違いさせる言葉が出てきました。表情が豊かなので喜怒哀楽が読みやすく、
話しやすいので商談は進めやすいです。
しかし他の営業にもそのような接し方なので、上手く話がまとまっても油断は禁物なタイプでもあります。
簡単に手のひらを返す人が多いタイプなので、密な意思疎通の連絡が必須と感じています。

ドライバー(行動派)は、感情表現は少なくポーカーフェイスで行動に影響を与えようとする。
断言する傾向が強く、物事の視点は課題を中心にして考えることが多い。

私の実体験で例を挙げると、「君が勧める商品のメリットデメリットはなに?」や
「業界での導入シェア率は?」のような商品の性能や機能がどのような効果を生むのか、
他の企業の評価委気にする人が多く、費用対効果などの評価基準を求める言葉が出てきました。
ポーカーフェイスなので喜怒哀楽が読みず苦労します。緊張しながら次の言葉を待つことが多いタイプです。
しかし、導入した際の効果を納得してもらえれば契約は目前なので、
商品知識とお客様の企業情報を仕入れて提案すれば商談はスムーズです。

このタイプは電話でもメールでも口数が少なく単刀直入に用件だけで済ませる人が多いような印象があります。

アナリティカル(分析派)は、感情表現は少なくポーカーフェイスで行動に影響を与えようとはしない。
問いかける傾向が強く、物事の視点は課題を中心にして考えることが多い。

私の実体験で例を挙げると、「他の商品を含めたメリットデメリットの一覧ありますか」や
「商品を導入すると何がかわるの?」のような、まずは自分でひととおり情報を入手して分析したい人が多く、
商品の情報やデータを求める言葉が出てきました。ポーカーフェイスなので喜怒哀楽が読み辛く、
資料に没頭して数分間は無音の状態も珍しくないので我慢して待ちましょう。
相手は頭フル回転状態なので、話しかけるのは控えましょう。

製品の内容が納得できれば商談は進みやすいので、
用意周到に知識武装及び記載の数値の根拠を押さえておけば対応可能です。
このタイプはあらゆる角度から質問が飛んでくることを覚悟してください。

エミアブル(親和派)は、感情表現が豊富で行動に影響を与えようとはしない。
問いかける傾向が強く、物事の視点は人を中心にして考えることが多い。

私の実体験で例を挙げると、「君が勧める商品だから大丈夫だよね」や
「他のお客さんはどの商品を選ぶの?」のような営業の人柄や他の企業の動向を気にする人が多く、
リスクを出来る限り回避する言葉が出てきました。
表情が豊かので喜怒哀楽が読みやすく、話しやすいので対応は楽です。
しかし主導権を握ろうしない傾向が強いので、時に圧迫と思われない程度の「押し」は
必要となりなす。
決定権は持たせつつ、商談を進めていくなかなか手強いタイプでもあります。

 

では、あなたの顧客リストのお客様を4つのカテゴリーに分ける作業に移ります。

これから各タイプの特徴を並べていきますので、前述の説明と合わせながら
あなた自身とお客様のタイプを確定してみてください。

まずは「特徴と会っている気がするなぁ」程度の判断で十分です。

 

エクスプレッシブ(感覚派)の特徴 

【手がかり】
エネルギーと熱意に溢れている。身振りはオープンで大きい。
声は大きく、声の調子も変化に富んでいる。ペースが速く、いきいきとしている。

【仕事のやり方】
他の人と進める。

【時間に対する態度】
ビジョンや夢、アイディアイディアを共有することに時間を使う。
他の人がその人の夢を実現する手助けをするために。

【達成に対する態度】
人々を通じて結果を得る。

【他の人に対する態度】
人々と活動することは重要

【個人的な動機づけ】
認められること。はっきりと目に見える存在であること。
その他大勢から際立って見えることを求める。
ユニークで、リーダーシップを示していると見られたい。
成し遂げたことの認知、人々に知られていること、

【よくある誤解】
軽はずみで気まぐれ、ビジネスの課題を議論しないで、
冗談ばかり言っている。
できぱきと仕事をするタイプではなく、課題を重視して進めていくタイプでもない。

 

ドライバー(行動派)の特徴

【手がかり】
まじめ、改まった姿勢。身振りをあまりしない。
話すのが速い。単刀直入。重要なポイントを強調するとき以外は、声の調子はほとんど変わらない。

【仕事のやり方】
独立型

【時間に対する態度】
望ましい結果を得るために、時間を効率よく使う。

【達成に対する態度】
できるだけ短い時間でしっかりした結果を得る。

【他の人に対する態度】
人間関係は重要だが、課題をはっきりさせ、それに対処するための能力を確立するまでは二次的なもの

【個人的な動機づけ】
時間や予算、人といったプロジェクトの目に見える資源を
コントロールすることを望む。
オプションとそれぞれの確率を与えられ、
自分自身で意思決定できるほうがよい。
状況や環境に関し、
より多くの権限やコントロール、支配権を得ることが重要

【よくある誤解】
課題中心がゆえに、押しつけがましく見える。

 

アナリティカル(分析派)の特徴

【手がかり】
控え目、身振りはあまりしない。きちんと話す。体の姿勢や見かけは改まった感じ。
人の話をよく聞く。慎重なペースで話す。

【仕事のやり方】
かなり自立的。きちんと組まれたアプローチに従う。

【時間に対する態度】
客観的かつ論理的にものごとに対処するために、
じっくり時間をとる。じっくり考えながら動く。

【達成に対する態度】
結果を得るために用いられるプロセスは、
結果そのものと同じくらい重要

【他の人に対する態度】
人間関係を構築するには時間が必要。
新しいつながりをつくるための最初の努力は、きっとだれかほかの人がやってくれる

【よくある誤解】
感情がなく、楽しむ能力もない。

 

エミアブル(親和派)の特徴

【手がかり】
温かく友好的でオープン。打ち解けた姿勢でゆっくり話す。
気持ちよくやわらかな声。オープンで熱心な感情。

【仕事のやり方】
他の人と進める。

【時間に対する態度】
しっかり時間をとって、人間関係を構築し、
ゆっくりと確実なペースで着実に進めていく。

【達成に対する態度】
最善の結果は、人々が一緒に働くことから得られる。

【他の人に対する態度】
どのようなプロジェクトでも、もっとも重要なのは人であり
ほかの人々との協働がものごとを成し遂げるために最善の方法

【個人的な動機づけ】
他の人からの合意を促進したり得ることを求め、
グループやチームの一員であることを望む。
他の人の承認を得ることと、
他の人に前向きの影響を与えることが重要

【よくある誤解】
人間関係に重きを置き過ぎ、動きは遅く、成果が上がらないように見える。

 

特徴を参考にしてあなたの顧客リストのお客様を分けてみてください。

現段階では、分類できそうなお客様だけで大丈夫です。

それとあなた自身も分類してみてください。

 

いかがでしょうか。まずは各タイプにひとりずつ入れば十分です。
時間をかけて分類していきましょう。

そして使い方ですが、例えば、あなたに「ドライバー」の特徴が多ければ・・・

「ドライバー」に分類されるお客様ならば、素のあなたと気が合う確率が高いので、

引き続き深くお付き合いしていきましょう。

「ドライバー」以外のお客様には、前述の各タイプの特徴をあなた自身が合致するよう

振る舞いましょう。これで、お客様と気が合う確率を高めることができます。

 

ここで私の実体験も含めた、初回訪問時を想定したタイプ別の攻略法を紹介します。

営業の流れに沿って解説しますので、イメージが膨らめば幸いです。

 

お客様が、エクスプレッシブ(感覚派)の場合

①準備する資料

熱意を認める傾向があるので、あなたのためだけに作った感じが出るとなおよしです。
プレゼン資料であれば、派手な装飾で目を引くようなタイトルで勝負します。

②着座

相手に合わせた格好で座りましょう。
イスやソファにドカッと座り、背もたれにゆったりもたれかかることが多いです。

③始めの雑談・アイスブレイク 

相手に関する話題を振って話をしてもらいましょう。
自分のことを話したがるタイプなので、関心がありそうな話題を適当に用意しておきましょう。

④立ち振る舞い 

顔や身体を頻繁に動かすことが多いタイプです。
その場合は、負けずに派手なリアクションで返していきましょう。

⑤口調 

声が大きく早口が多いタイプなので、声の大きさと速さを上手く合わせましょう。

⑥主導権 

常に相手に与えましょう。知らぬ間に取られていることも多いですが。

⑦商談の進め方 

本心をズバッと言い、本音で勝負しましょう。
「この商品をぜひあなたに購入していただきたい。」本音で返してくれることも多いです。
ただし、意に沿わない場合には打開するのが難しい場合も起こります。
返答に困る感想が飛び出すことがあります。
「なんか嫌なんだよね」「もっとこうなんて言うか違うんだよね」など、

⑧クロージング

ストレートに聞きましょう。
こちらからしないでも自ら決断をしてくれるタイプです。

⑨商談後の雑談

アイスブレイク同様、相手に話を振りましょう。

 

お客様が、ドライバー(行動派)の場合

①準備する資料

プレゼン資料であれば、メリットデメリットを簡潔に伝える情報や
データ及び導入した際の費用対効果など。 導入による結果とその原因がわかる資料で勝負します。

②着座

興味のある話になると前のめりになり、その度合いは行動に表れます。
同じ姿勢で座りましょう。
「しっかり聞いて判断しよう」という意図が汲み取れます。
ソファに姿勢よく座り、机に腕を置いて対応することが多いです。

③始めの雑談・アイスブレイク 

着座後、すぐに商談に入って問題ありません。
仕事に関係ないことは無駄と考える傾向が強いタイプです。

④立ち振る舞い 

身振り手振りは少ないです。手を動かす程度の方が多いです。

⑤口調 

落ち着いた話し方ですが早口が多いタイプなので、上手く合わせましょう。

⑥主導権 

常に相手に与えましょう。最後に商談の要点をまとめてくれることがあります。

⑦商談の進め方 

簡潔にポイントだけを伝えましょう。原因と結果、費用対効果など数値で示すと話が進みやすいです。
購入に到らない場合も、何が不足しているか指摘してくれるので安心です。
ただし、商談時にある程度の信頼を得ていればの話ですが。

⑧クロージング

「この商品はいかがですか?」と質問すれば、きちんと答えるタイプです。

⑨商談後の雑談

アイスブレイク同様、必要ありません。終わったら立ち去りましょう。
相手は次の行動に頭が切り替わっていることが多いですから。

 

お客様が、アナリティカル(分析派)の場合

①準備する資料 

プレゼン資料であれば、取扱い商品やサービスの一覧表と今回紹介する商品や
サービスの詳細な情報やデータの資料を作成していきましょう。

②着座

「興味のある話ならばきっちり分析しますよ」というフランクな方が多いです。
イスやソファに姿勢よく座り、机に腕を置いて対応してくれます。

③始めの雑談・アイスブレイク

着座後、すぐに商談に入って問題ありません。
仕事に関係ないことは分析対象ではありませんから。

④立ち振る舞い 

身振り手振りは少ないです。手を動かす程度です。

⑤口調

落ち着いた話し方で、ゆっくりと考えながら言葉を選ぶタイプです。
途中で話に割り込まないよう注意が必要です。

⑥主導権 

主導権を握ることはしないタイプが多いので、折を見て商品の感想を聞いてみましょう。

⑦商談の進め方 

必要な情報を出して、相手からの質問に答えていく姿勢がよいです。
いろいろな角度から質問が飛ぶことがあるので十分な商品知識が必要です。

⑧クロージング 

「御社での導入の可能性はどのくらいだと思いますか?」と確認すれば、きちんと答えるタイプです。
自分で即決することはしない傾向が強いので、その場で決断を迫るような言い回しはしないことが重要です。

⑨商談後の雑談

すでに相手の頭は商談のレポート作成に取り掛かっています。
アイスブレイク同様、必要ありません。終わったら立ち去りましょう。

 

お客様が、エミアブル(親和派)の場合

①準備する資料

プレゼン資料であれば、他社の導入事例やお客様の声などを用意しましょう。
お客様の業界におけるシェア率などあれば万全です。

②着座

相手に合わせましょう。イスやソファにゆっくりと座り、背もたれにゆったりもたれかかるでしょう。

③始めの雑談・アイスブレイク 

相手の会社や同僚などの話題を振るのが無難です。こちらの同僚などの軽い悩みなどの話でもいいでしょう。
「部下への意思伝達が難しいのですが、いいアイディアないですかね?」など。

④立ち振る舞い

静かにゆったりと動くタイプなので、同じようにリアクションをしましょう。
急に声を荒げたり、机に身体を乗り出したりするのは控えましょう。

⑤口調

話す速さを合わせましょう。
声が小さくゆっくり話すタイプなので、最後まで耳を傾けましょう。

⑥主導権 

主導権は握らないタイプなので、上手に質問を重ねていきましょう。

⑦商談の進め方 

焦らず急がず、相手のベースで話を展開していきます。
「あなたが納得するまでお付き合いしますよ。」という姿勢がこのタイプとの人間関係を強化していきます。
そして、相手のサポート役として必要な情報を提供する関係を作りましょう

⑧クロージング

導入に必要なお客様側のプロセスを確認しましょう。
「仮に導入するとした場合、どのような社内稟議が必要ですか?」や
「上長の承認を得るために必要なものは用意しますよ」など。 また、決断を迫る言葉は避けましょう。

⑨商談後の雑談

アイスブレイク同様、相手に話を促しましょう。

 

以上のような傾向がありますので、参考にしてください。

 

では、まとめに入りますね。

 

始めに、営業は人間関係が大変だ。

なので、気が合うお客様で顧客リストを満たそう。

然るに、気が合うお客様とは「自分とよく似た人」

ならば、ソーシャルスタイル理論で分類し「自分とよく似たお客様」を見つけよう。

まずは、既存のお客様を分類して試してみよう。

そして、新規のお客様にも試してみよう。

 

このような流れでお話をしてきました。

 

この理論だと、特に意識しないで営業活動をしていても
見込み客の約25%は気が合うお客様と考えられます。

※統計の結果、各タイプは平均的に分かれるそうです。

そして、各タイプの特徴を上手く活用すれば、残り75%のお客様についても
気が合うお客様にする可能性を高めることができます。

 

♦ 営業個人の戦略で考えると

  1. あなたと既存顧客の担当者をこの理論で分類する。
  2. 気が合う担当者とはそのまま接し、他のタイプの担当者は特徴に注意して接する。
  3. 新規開拓の際は、あなたと気が合うお客様を中心に営業をしていく。

 

♦ 営業組織の戦略で考えると

  1. 各営業と既存顧客の担当者をこの理論で分類する。
  2. 気が合う担当者とはそのまま接し、他のタイプの担当者は特徴に注意して接する。
    または各営業と同じタイプのお客様を担当(担当替え)させる。
    この場合は
    、4つのタイプの営業が在籍していると効率的です。
  3. 新規開拓については、お客様に合わせたタイプの営業を担当させる。

 

実際に分類を始めてみるとわかりますが、きっちりと4つのタイプに分類できないことが多くあります。
複数のタイプを持ち合わせている人が多いです。
ですが経験上、会って話をした時の相手の特徴で判断すれば問題ありません。

 

実は、複数のタイプを持つ人のタイプ移動の習性や、
タイプ別の相手を怒らせた場合の対処法など
まだまだ話は尽きないのですが、
それは実際にあなたとお会いした時のためにとっておきます。

 

ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

感謝の気持ちを込めて、ささやかですが贈り物を用意しました。

私が新規のお客様への初訪問の際に使っているタイプ選別と攻略法です。
挨拶から名刺交換までに3つ、会話をしながら2つを確認して選別しています。
訪問時に持参できるようA4で1枚にまとめてありますので、
興味が湧いたらお受け取りください。下記からダウンロードできます。

 

 

また、ソーシャルスタイル理論の基礎を動画にまとめたリストも
作成してあります。よろしければご覧くださいませ。

『ソーシャルスタイル(相手の懐に入る技術)』動画28本収録
※サブタイトル「いまの会社で生き抜く技術」です。

最後に、この理論はアウトバウンド(テレアポ)にも活用できます。

新規開拓には必須の電話営業。

対話のみで判断するため難易度は高くなりますが、

私がアウトバウンドの際に意識している点を「テレアポ編」で触れています。

よければ合わせてお読みください。

 

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