今回は

iDeCo(イデコ)に加入して、個人で年金積み立てよう!

についてお話をいたします。

 

最近の投稿では、

『ねんきん定期便』や『ねんきんネット』で

ご自身の年金の見込額を知る方法や

年金額を増やす方法などをお伝えしています。

 

実際にもらえる年金の見込額を確かめた方、

ほとんどの方はそう多くはない金額に驚き、

落ち込んだかも知れません。

 

このお話はあくまで公的年金である

国民年金や厚生年金について。

 

公的年金は、名前の通り、

公的、国が運営している制度です。

 

では、公的年金とは別に、

老後に備えて個人で年金を積み立てていきましょう。

と国が支援している年金制度をご存知でしょうか。

 

その制度は

個人型確定拠出年金制度

愛称iDeCo(イデコ)と言います。

 

この制度、 2016 年 12 月時点での加入者は

約30万人だったところ、2017年1月の改正によって

加入者は増え続け 2020 年 7 月時点では、

約 166 万人が加入しています。

 

始めようと思えば、月 5,000 円から始めることができる

じぶんで作る年金』制度です。

 

 

個人型確定拠出年金と堅苦しい名称ですが、

確定拠出年金とは、公的年金を補完する形で

用意された年金制度です。

実は以前から存在した制度です。

 

2017年1月に、

個人向けの確定拠出年金制度が改正されて、

国民のほぼすべての方が加入できるようになりました。

 

会社員や公務員の方はもちろん、

自営業でも専業主婦(主夫)の方でも

加入することができます。

 

このように、

みんなが入れるよう国が用意した制度ですから、

とてもお得な制度になっています。

 

また、これまでは iDeCo へ加入できる年齢は

20 歳以上 60 歳未満だったところ、

法改正によって 2022 年 5 月 から

20 歳以上 65 歳未満と延長されます。

 

60 歳に近い方や 60 歳以上の方は

加入することに躊躇したり、加入することが

できなかったりしましたが、

今後は活用することができるかも知れません。

 

『個人型確定拠出年金制度』愛称iDeCo(イデコ)。

 

まずは知っていただくことが先決ですので特徴を簡単に

iDeCo へ加入できる方と加入できない方、

加入した方の区分、お得な制度の理由と逆に良くない点、

についてお話していきます。

 

iDeCo へ加入できる方と加入できない方

現時点で加入できる方は、

日本に住んでいて20歳以上60歳未満の方、

そして、国民年金または厚生年金へ加入している方となります。

 

2022年5月からは60歳未満が65歳未満へ延長されます。

60歳以上の方は、会社などで働き厚生年金に加入するか、

国民年金へ任意加入するか、

年金制度に加入していることが条件となります。

 

逆に加入できない方はどんな人かご紹介すると、

現時点では60歳以上の方は加入できません。

いずれ65歳以上は加入できません、

に変更されるわけですね。

 

海外に移住している方も加入できません。

日本国内に居住している方が対象となっています。

ここも改正後は、

国民年金へ任意加入をすればiDeCoに加入できます。

 

また、国民年金保険料を免除されている方
(障害基礎年金受給者は除く)や

納付を猶予されている方は加入できません。

 

上記のいずれかに当てはまる方は

加入することができませんのでご注意ください。

 

また、会社員の方で勤務先の会社において

企業年金に加入している場合も注意が必要です。

規約で iDeCo に加入できない場合がありますので、

気になる方は一度勤務先に確認してみてください。

 

加入した方の区分

加入者には区分があり、その区分けによって

月々の掛金額の上限が違ってきます。

公的年金で言えば、払う保険料の金額の上限が

区分によって決められている、ということになります。

 

厳密に言えば、国民年金の被保険者区分によって

区分けされますが、ここでは職業や立場によって違うと

覚えていただければと思います。

 

区分は、自営業・会社員・公務員・専業主婦(主夫)

の4つとなります。

 

自営業の方は、月の掛金の上限額は68,000円です。

会社員の方は、お勤めの会社の企業年金への加入状況によって

12,000円から23,000円です。

 

公務員の方は、12.000円。専業主婦(主夫)の方は、

23,000円となっています。

 

たくさん払って老後にもらう金額を多くしたいと思っても、

区分によって上限額が決まっているというわけです。

 

ちなみに月の掛金の金額は

ご自身で選ぶことができて、5,000円から

上限額までとなります。

 

お得な制度の理由

何がお得なのかと言えば、

手厚い税制優遇などがあることです。

 

ざっくり言えば、

所得税や住民税をグッと抑えて安くできたり、

資産をどんどん増やしたりすることが

期待できる制度になっています。

 

具体的には、掛け金がすべて所得控除となったり、

通常だと取られる運用益にかかる税金が非課税になったり、

将来貰える年金の計算にも税制上のメリットが

あったりと試算が増やしやすい制度を用意してくれています。

 

ひとつずつ見ていくと、

【拠出時】掛け金が全額所得控除

所得控除とは、

所得税や住民税を計算するための金額から差し引くもの。

掛け金の分を差し引いてくれるので、

所得税と住民税が安くなります。

 

【運用時】運用益が非課税

通常の証券口座で投資を行う場合、

得た利益に対して約20%の税金がかかります。

イデコの場合は非課税ですので、

利益が目減りすることなく再投資されます。

 

運用益が非課税とは何のことと思われた方。

iDeCo はご自身で選んだ、定期預金や保険商品、

投資信託といった商品を運用して

老後の年金を増やしていくことになります。

そこで増えた運用益、

利益に税金がかからないという意味合いです。

 

【受取時】退職控除や公的年金等控除

老後に増やした資産を受け取る時、

退職控除や公的年金等控除の控除が適用されます。

以上、掛金を支払う拠出時と、掛金を増やす運用時と、

老後に増やした資産を受け取る受取時に税制面で

優遇があるという訳です。

 

良くない点

現時点では、

60歳まで手元にお金を引き出すことができません。

現金化ができないということです。

 

どれだけ老後の資産を増やすことができたとしても

60歳までは手が出せません。

 

もちろん、加入者が亡くなった際の遺族への死亡一時金や

障害を負った際の障害給付金がありますが

例外的なお話です。

 

60歳までなかば強制的に資産作りができると考えるか、

何かお金が入用になった時には融通がきかない制度だなぁと

考えるか賛否両論あると覆います。

 

また、会社員などの方は、

お勤めの会社に記入してもらう『事業主の証明書』

という書類の提出が申出書と併せて必要になります。

会社の人に「あいつイデコ始めた!」ということが

わかってしまうのは、ちょっと気が引けるかと思います。

こっそり出来ません。

 

老後に備えて個人で年金を積み立てていきましょう。

と国が支援している年金制度。

 

 『個人型確定拠出年金制度』愛称iDeCo(イデコ)

 

ごく一部ではありますが特徴をご紹介しました。

公的年金の他にもじぶんで年金を作っていく制度が

用意されていることを、そして2022年5月からは、

65歳未満の方まで活用できることを

知っていただく機会になれば幸いです。