今回は

2022年からの確定拠出年金の法改正

についてお話いたします。

 

確定拠出年金

なじみのない年金の名称だと思いますので、

確定拠出年金制度のお話から入ります。

 

確定拠出年金とは、

国民年金・厚生年金を補完する形で

作られた年金制度になります。

 

国民年金が1階部分、厚生年金が2階部分、

確定拠出年金は3階部分とよく言われます。

 

国民年金と厚生年金は公的年金、

確定拠出年金などは私的年金とも呼ばれます。

 

確定拠出年金には、

会社が入る企業型と個人が入る個人型があります。

 

個人型は2017年1月に改正されて、

国民のほぼすべての方が入れるようになり

『iDeCo』という愛称もついています。

 

資産運用に興味のある方なら

『つみたてNISA』と『iDeCo』は

よく比較されますので名前は

知っているかも知れません。

 

 

さきほど、国民年金・厚生年金を補完する形で

作られた年金制度とお伝えしましたが、

補完するためのものですから

加入する利点・メリットはもちらん用意されています。

 

代表的なものをご紹介すると

『掛金は全額所得控除される』

ことがあげられます。

 

簡単に言ってしまえば、

税金を計算する金額から

掛金の金額が差し引かれます、

 

その分税金が安くなる効果があります。

 

会社員や公務員の方は年末調整で、

自営業やフリーランスの方などは

確定申告によって手続きを行います。

 

もちろん、企業型はお勤めの会社が

企業型確定拠出年金を導入していれば

入ることができます。

 

iDeCoは、

国内に住んでいる20歳以上60歳未満で

国民年金保険料を払っている方であれば

入ることができます。

 

確定拠出年金制度のお話はここまでにして、

2022年からどのような改正となるのか、

お話していきます。

 

2022年からの改正点3つ

老齢給付金の受給開始年齢の拡大(2022.4)

企業型確定拠出年金も個人型確定拠出年金も

老後の年金である老齢給付金の

受給開始時期の上限が延長されます。

 

現在は60歳から70歳までの間で

老後の年金をもらい始める年齢を

自分で選択することができます。

(加入期間の長さによって制限あり)

 

改正後は、

60歳から75歳まで5歳延びることとなります。

公的年金である厚生年金と国民年金も時を同じく、

もらい始める年齢が60歳から75歳と延長されます。

 

個人型(iDeCo)加入対象者の拡大(2022.5)

現在、iDeCoへ加入できる方は

60歳未満の国民年金へ入っている方、

自営業でも会社員でも公務員でも

専業主婦でも60歳未満となっています。

 

改正後は、一定の条件に合う方であれば

65歳までiDeCoへ加入することができます。

 

一定の条件に合う方とは、

会社員や公務員の方(第2号)と、

国民年金の任意加入者となります。

 

国民年金の任意加入というのは、

国民年金から老後の年金を

もらう条件を満たすため、または、

その年金額を増やすために入る制度のことです。

 

国民年金の老後の年金は

原則20歳から60歳の40年間に支払った

保険料の月数によって決まります。

 

最高40年です、

これ以上は払うことができません。

 

そのため、

60歳までに保険料の払い忘れなどがあり、

この40年分に届いていない方が

任意加入制度を使うことでき、

合わせてiDeCoへ加入できる方となります。

少々限定的な内容です。

 

企業型確定拠出年金加入者の条件緩和(2022.10)

企業型確定拠出年金へ加入している方、

会社員などの方は、

現在iDeCoへの加入については制限が

多くあります。

 

例えば、合わせてiDeCoへ入るためには、

会社の規約においてiDeCoへの加入を認める

定めが必要となっています。

 

また、定めがありiDeCoへ加入できたとしても、

企業型の掛金を減らしてiDeCoへの

掛金へ回すことになります。

(マッチング拠出時はiDeCo加入不可)

 

改正後は、

会社と会社員の間の合意(労使の合意)

がなくとも原則iDeCoへ

加入することが可能となります。

 

iDeCoへ加入したい会社員の方なども

今後は入りやすくなると思います。

 

ただし、企業型で会社が負担している

掛金の金額とiDeCoの掛金の金額、

この2つの合計額が

基準額以下であることが必要です。

 

企業型に加入していて

iDeCoへ加入となる場合は、

会社の掛金5.5万円以内、

iDeCoの掛金2万円以内、

合計5.5万円以内であること。

 

企業型と確定給付型

(DBや厚生年金基金など)

に加入しiDeCoへ加入となる場合は、

会社の掛金2.75万円以内、

iDeCoの掛金1.2万円以内、

合計2.75万円以内であること。

 

拠出限度額に収まるように

iDeCoの掛金を考慮する必要はありますが、

個人の意思で原則加入へと改正されます。

 

改正後は、

企業型に加入の会社員の方が入りやすく、

また、国内に住んでいる20歳か65歳未満の方が

利用できる制度になっていくiDeCo。

 

ご参考にiDeCoに加入できる方と加入できない方、

どのような点がお得な制度がご紹介いたします。

 

まず、iDeCo へ加入できる方と加入できない方。

現時点で加入できる方は、

日本に住んでいて20歳以上60歳未満の方、

そして、国民年金または厚生年金へ

加入している方となります。

 

2022年5月からは60歳未満が65歳未満へ延長されます。

60歳以上の方は、会社などで働き厚生年金に加入するか、

国民年金へ任意加入するか、

年金制度に加入していることが条件となります。

 

逆に加入できない方はというと、

現時点では60歳以上の方は加入できません。

改正後は65歳以上に変更されるわけですね。

 

また、国民年金保険料を免除されている方

(障害基礎年金受給者は除く)や

納付を猶予されている方も加入できません。

 

いずれかに当てはまる方は

加入することができませんのでご注意ください。

 

また、会社員の方で勤務先の会社において

企業年金に加入している時は、

規約で iDeCo に加入できない場合があります。

この点も法改正で変更となります。

 

どのような点がお得なのかと言えば、

手厚い税制優遇などがあげられます。

 

主な点をご紹介すると、

所得税や住民税をグッと抑えたり、

資産を雪ダルマ式に増やしたり

することがしやすい制度です。

 

その理由としては、

掛け金がすべて所得控除となったり、

通常だと取られる運用益にかかる

税金が非課税になったり、

将来貰える年金の計算にも

税制上のメリットがあったりと

目白押しな制度となっています。

 

ご自身で老後の年金をつくる

『じぶん年金つくり』に適した制度の

ひとつにiDeCoがあり、

その制度への加入が65歳まで広がる、

会社員の方なども使いやすくなると

押さえておいていただければと思います。

 

ご参考になれば幸いです。