今回は、

老後に貰える年金をざっくりと整理して

お話したいと思います。

 

できるだけ細かいところは省いて、

どの年金が貰えそうなのかざっくり

掴んでいただければと思います。

 

全部で5つの年金のお話をしていきます。

 

5つの年金のお話をしますが、

貰える年金は人によってまちまちです。

 

5つ貰える方もいれば1つの方もいます。

5つと1つと大きな違いが生まれる年金制度、

少々複雑な制度です。

 

どこでその違いが生まれると言えば、

職業だったり、生年月日だったり、

家族構成だったりと

これまた複雑な内容です。

 

噛み砕いてご紹介していきます。

貰える金額がわかるものはお伝えし、

人によって金額が異なる場合は

ご自身で調べる方法をお伝えします。

 

 

では、お話する5つの年金とは。

 

1)60歳前半の特別支給の老齢厚生年金

2)65歳からの老齢厚生年金

3)加給年金 

4)65歳からの老齢基礎年金

5)振替加算

 

この5つです。

 

1)60歳前半の特別支給の老齢厚生年金

60歳前半の特別支給の老齢厚生年金。

 

ポイントは2つ。

厚生年金から貰える年金ですので

厚生年金の保険料を払っている方が

対象です。

 

ずっと自営業やフリーランスなどの方は

貰うことはできません。

また、特別の支給ということで

60歳前半に貰える年金です。

 

年金は原則65歳からとなっていますが

特別にという年金です。

 

貰うための条件は3つです。

 

1)生年月日が昭和36年4月1日以前生まれの男性と、

昭和41年4月1日以前生まれの女性であること。

昭和60年の法改正によって、年金の受け取り年齢が

60歳から65歳に切り替わった時に経過的に作られた制度です。

 

いきなり5歳遅くなるのはさすがに

荒っぽかったのでしょうね。

この生年月日以前の方々は

60歳前半でも年金が貰えるようになっています。

 

受け取る年齢については、

男性なら昭和34年4月2日から

昭和36年4月1日生まれなら64歳、

昭和32年4月2日から

昭和34年4月1日生まれなら63歳と

2年で区切られて1歳ずつ減っていきます。

 

2)厚生年金に1年以上入っている方。

この1年以上というのは条件であって、

貰える年金額は期間が長ければ長いほと

高くなります。

 

パートやアルバイトで働く場合でも

厚生年金に入ることがありますので、

会社などで正社員として働いた

経験がない方であっても該当する

可能性がありますので記憶を

辿ってみてくださいね。

 

年金額を決める要素は、

厚生年金に入っていた期間の

平均的な給料の金額、年齢に応じた率、

それと加入していた期間の長さで決まります。

 

該当しているのか金額はいくらなのかを

簡単に知る方法は「ねんきん定期便」です。

50歳以上の方のねんきん定期便には、

「特別支給の老齢厚生年金」という項目に

該当する方には金額と貰える年齢が

記載されています。

 

50歳未満の方は「ねんきんネット」に

登録して確認するか年金事務所に

聞いてみるのがいいですね。

 

3)国民年金の老齢基礎年金が貰える方

ご存知と思いますが厚生年金に

入っていれば国民年金にも入って

いることになります。

 

会社員などの方は厚生年金と

国民年金の両方から老後の年金を

貰えるというわけですね。

 

この老齢基礎年金を貰うためには

受給資格」と言いますが、

10年以上の加入期間、

国民年金の保険料を10年以上

払っていることが原則必要になります。

 

細かい話をすれば、

合算対象期間(カラ期間)と言って、

専業主婦や学生の方・海外在住の方などに

ついては年金制度の切り替わりの都合で

保険料を払っていない期間も

この10年に含めることができる規定も

実はあります。

 

ちなみに平成29年7月までは

この期間は25年でした。

法改正がされて8月からは

10年あればよいとなっています。

 

これら、生年月日・厚生年金1年・

国民年金10年という条件を満たすと

特別支給の老齢厚生年金が

貰えることになります。

 

2)65歳からの老齢厚生年金

厚生年金から貰える老後の年金を

「老齢厚生年金」と言います。

 

会社などで働く会社員や契約社員、

パート・アルバイトの方が該当します。

厚生年金の加入期間が1ヶ月以上あり、

国民年金の老齢基礎年金を貰える方が

65歳から貰えます。言い直しますね。

 

厚生年金の保険料を1ヶ月以上払った方で、

かつ国民年金の保険料を原則10年以上

払った方は65歳から老齢厚生年金を

貰うことができます。

 

厚生年金1ヶ月以上とは最低基準なので、

長く入っているほど貰える年金額も

増えていきます。

 

国民年金の老齢基礎年金が貰える方と

いう条件がありますから貰える場合には、

厚生年金から老齢厚生年金、

国民年金から老齢基礎年金の2つを

貰うことができます。

 

年金は2階建てと言われる所以ですね。

 

年金額を決める要素をは、

特別支給の老齢厚生年金と一緒で

厚生年金に入っていた期間の

平均的な給料の金額、年齢に応じた率、

それと加入していた期間の長さで決まります。

 

概算額を知る簡単な方法は、

ねんきん定期便」または

ねんきんネット」に

登録して確認してみるのがいいですね。

 

先ほどご紹介した

特別支給の老齢厚生年金」とは別物です

ので分けて考えてください。

 

60歳前半で

貰っているから減額された年金額だ、

というのは65歳からの老齢厚生年金を

早めに受け取る手続き(繰上げ支給)を

した場合です。

 

特別支給の老齢厚生年金は60歳前半に

貰える年金ですので減額云々と

言う話にはなりません。

お気を付け下さい。

 

3)加給年金

配偶者やお子さんがいる方の老齢厚生年金に

加算される家族手当のような年金です。

 

その分、年金額が上乗せされて

金額が増えるわけですね。

貰うためには条件が3つです。

 

1)厚生年金に20年以上入っていること

2)65歳以上になった時に、

生計を維持している配偶者や子どもがいること

3)その配偶者や子どもが

年収850万円以下であること

 

これら3つの条件を満たすと「加給年金」が

上乗せされた年金額を貰うことが出来ます。

 

例外もいくつかありますが

細かい内容なので省きます。

 

加給年金の金額は、

配偶者の分として、224,500円(年額)

子どもの分として、

1人目と2人目は各224,500円(年額)

3人目以降は1人につき74,800円(年額)

となっています。

 

注意点です。

加給年金は老齢厚生年金に増額される年金です。

老齢厚生年金の受け取り時期を

66歳以降に繰り下げて増えた年金を貰う場合、

加給年金も貰う時期は一緒となり繰下げとなります。

しかし、加給年金の増額はありませんので

気を付けてください。

 

4)65歳からの老齢基礎年金

国民年金から貰える老後の年金を

「老齢基礎年金」と言います。

 

自営業やフリーランス、

専業主婦の方などが該当します。

 

とは言え、先ほどお話しました

65歳からの老齢厚生年金を貰う条件のひとつ、

加入期間1ヶ月以上があります。

 

新卒の時に少しだけど会社員をしたとか

パートをした経験があるとか、

厚生年金に入っていた期間が少しでもあれば、

金額は微々たるものですが

65歳からの老齢基礎年金に

合わせて65歳からの老齢厚生年金も

一緒に貰えるかも知れません。

 

国民年金に加入する期間は、

20歳から60歳までです。

この40年間国民年金の保険料を

払い続けると満額の年間約78万円、

月だと約6.5万円が65歳から受け取れます。

 

老齢基礎年金を貰うための条件は

この40年間のうち10年以上保険料を

原則払っていることとなります。

 

10年なら40年の1/4ですので、

満額の1/4の年金額、

年間約19.5万円となります。

 

以前は加入期間25年と

条件が厳しかったところ、

平成29年8月から10年と

改正されています。

 

5)振替加算

先ほどお話をした加給年金は、

一定の条件に当てはまる配偶者や

子どもがいる場合に貰えますと

お伝えしました。

 

そして、加給年金の対象となる配偶者が

65歳になると加給年金は

貰えなくなってしまいます。

 

ですが、

その代りと言ってはなんですが、

配偶者自身の老齢基礎年金に

「振替加算」が付くことがあります。

 

振替加算を貰うための条件は3つです。

 

1.配偶者が昭和41年4月1日以前

生まれであること

2.配偶者が65歳の時、

国民年金の老齢基礎年金を貰えること

3.配偶者が厚生年金に20年以上

入っていないこと

 

これらの条件を満たすと振替加算を

貰うことができます。

生年月日によって金額が決まっています。

 

一番多く設定されている生年月日は、

昭和2年4月1日以前生まれの方で

加給年金の金額と同額の224500円、

 

一番少なく設定されている生年月日は

昭和40年4月2日~昭和41年4月1日生まれの方で

約1.5万となっています。

 

特別加算とは逆でこちらは若いほど

金額が少なくなります。

 

最後に注意点を少しだけ。

振替加算は、配偶者の老齢基礎年金に

加算される年金です。

 

こちらも繰下げによる増額はなく

繰り下げた年齢から一緒に貰うことになります。

 

例えば、振替加算を貰える方が

66歳に繰り下げた場合は、

1年間振替加算がない期間ができますので

注意してください。

 

以上の5つの年金、まとめますと、

60歳前半には、特別支給の老齢厚生年金

65歳からは、老齢厚生年金と老齢基礎年金

老齢厚生年金には、加給年金の加算 

老齢基礎年金には、振替加算の加算

が用意されていて対象者となれば

対象となった年金が貰えるという仕組みです。

 

ご参考になれば幸いです。