今回は
『 60 歳以降の社会保険はココをおさえよう!』
についてお話をしたいと思います。
『 60 歳』という年齢、
還暦というひとつの節目の年齢であり、
働き方が変わっていく、もしくは
自ら選択していく年齢とも言えます。
会社勤めの方であれば、
60 歳を機に労働条件、
特に給与面が見直されることが
多いと思います。
交渉の余地、
受け入れるか否かの選択に迫られます。
また、これまでの人脈を生かした転職、
これまでの経験を生かしての独立などの
選択もあるかも知れません。
その人その人の環境によって
さまざまな選択肢があると思います。
社会保険という観点、
年金、健康保険、雇用保険の制度から
お話をしていこうと思います。
つまり、60歳以降働く場合の
年金、健康保険、雇用保険の取り扱い、
どのような保障や給付があるのかなど、
それぞれの主な制度について紹介します。
ひとつの判断材料になれば幸いです。
60 歳以降会社で働く場合。
正社員や契約社員、パートやアルバイト、
派遣社員などで働く場合ですね。
働く条件にもよりますが
『厚生年金と健康保険』
『雇用保険』
に加入することになります。
厚生年金と健康保険の加入条件は
従業員数 500 名以下の会社だと、
正社員の方の働く日数と時間の
3 / 4 以上働くことが主な条件です。
従業員 501 名以上の会社だと
・1週間の所定労働時間が
20 時間以上あること、
・月の給料が 88,000 円以上であること、
などが主な条件です。
2022 年 10 月からは
従業員 101 名以上となります。
雇用保険は、
・1週間の所定労働時間が
20 時間以上であること、
・31 日以上の雇用期間の
見込みがあること、
となります。
気になる方はお勤めの会社などに
確認してみてください。
では、どのような給付があるのか、
主なものをご紹介します。
厚生年金の主な給付は、
老後の年金である
『老齢厚生年金』です。
原則 65 歳から受け取れ、
保険料を支払った期間と金額で
もらえる年金額が決まります。
長く入って保険料を支払えば
その分老後の年金額が増えるわけです。
老後の年金以外にも
障害を負ってしまった際の
『障害厚生年金』
亡くなってしまった際の遺族へ対する
『遺族厚生年金』
も用意されています。
健康保険の主な給付は、
『傷病手当金』です。
『傷病手当金』は、
病気やけがで働けない場合に
給料の約 2 / 3 の金額を
最長 1 年半もらえます。
また、扶養しているご家族がいれば
そのご家族も一定要件に合えば
健康保険を使うことができます。
『被扶養者』といいます。
雇用保険の主な給付は、
『基本手当(失業手当)』
です。
会社などを辞めた時に
もらえる手当ですね。
この基本手当は 64 歳までです。
もらうための条件は、
原則、辞めた日、離職前 2 年間に
被保険者期間が12ヶ月あること。
解雇や会社の倒産などになると、
辞めた日、離職前 1 年間に
被保険者期間が6カ月となります。
緊急事態宣言など逼迫した状態の時は、
条件が緩和されることもありますので、
気になる方はハローワークのHPなどで
確認してみましょう。
基本手当は、
もらえる日数(所定給付日数)と
1日分の金額(基本手当日額)で
総額が決まります。
雇用保険の被保険者の期間と年齢、
退職理由によってもらえる日数が決まり、
1 日分の金額については、
給料の金額や年齢などによって決まります。
大体どのくらいもらえるのか。
厚労省のサイトに載っていた金額を
お伝えしますね。
給料の平均額が月 20 万円だと、
月額 13.5 万円程度です。
月 30 万円なら月額 16.5 万円程度
( 60 歳以上 65 歳未満の方は 13.5 万円程度)
となっています。
なお、65 歳以上の方の失業の場合は
『高年齢求職者給付金』
という一時金となります。
また、60 歳から 64 歳までにおいて、
60 歳時点の給料の金額と以後の金額を比較して、
75 %未満になると下がった給料の
最高で 15 %相当の金額が給付される
『高年齢雇用継続給付』があります。
令和7年4月からは法改正によって
15 %が 10 %に減ってしまいます。
介護をする必要があり会社を休む時にも
『介護休業給付』が用意されています。
原則、介護休業を開始した日前 2 年間に
雇用保険の被保険者期間が
12 ヶ月以上あることが必要です。
もらえる金額は、
例えば給料の平均額が月 20 万円なら
月額 13.4 万円程度、
月 30 万円なら 20.1 万円程度となっています。
ご参考になれば幸いです。