今回は

老後にもらう年金に税金はかかるの?

についてお話いたします。

 

このような質問をされたら

あなたはどのように考えますか?

 

老後にもらい始める年金『老齢年金』

国民年金からは『老齢基礎年金

厚生年金からは『老齢厚生年金

が受け取れます。

 

会社などで働いている方なら、

給料から天引きで年金保険料が

支払われています。

パートやアルバイトの方も同様です。

 

自営業を営む方や個人で働く

フリーランスの方は自ら年金保険料を

支払っています。

 

それも 30 年とか 40 年とか

長い期間払い続けることになります。

そして、原則 65 歳で

晴れて年金としてお金が入ってきます。

 

『さすがにここにきて、

税金は引かれないだろう!』

と思われた方。

 

年金をもらい始めると日本年金機構から

『年金振込通知書』が届きます。

 

この通知書の記載項目を解説しながら、

正解をお伝えしたいと思います。

 

 

※動画では、実際の通知書を参照し説明しています。

文章だとよくわからない場合は視聴してみてください。

 

年金をもらっている方に定期的に届く

年金振込通知書

 

どのような項目があるのか。

上から『年金支払額』

 

『介護保険料額』

『所得税額および復興特別所得税額』

『個人住民税額』

一番下が『控除後振込額』

 

となっています。

 

『控除後』ということで、

いくつかの項目の金額が年金額から

引かれて支給されるということです。

 

つまり

『控除後振込額』が実際の金額であり、

『介護保険料額』

『所得税額および復興特別所得税額』

『個人住民税額』などが引かれる、

年金にも税金がかかってくる

というのが正解となります。

 

初めてこの事実を知る方は、

さぞや驚くかと思います。

 

ですが、まだ話には続きがあります。

 

年金に税金はかかりますが、

年金をもらう方すべてに

税金がかかるわけではありません。

 

そこには、

きちんと線引きがあって

税金が引かれる方、

引かれない方が存在します。

 

今回はあくまで年金にも

税金がかかるのだ、

という事実を知っていただきたい。

 

話をわかりやすくするために、

65 歳からもらえる

『国民年金の老齢基礎年金』と

『厚生年金の老齢厚生年金』

を対象にご紹介していきます。

  

基礎的な話から始めますね。

年金にも種類によって

税金がかかる年金と

税金がかからない年金

が存在します。

 

現在の年金制度には、

老後にもらえる老齢年金と、

障害の状態になった時のる障害年金、

万が一亡くなった時の遺族年金

が用意されています。

 

このうち、障害年金と遺族年金は

税金はかかりません。

 

障害基礎年金や障害厚生年金、

遺族基礎年金や遺族厚生年金、

寡婦年金や死亡一時金、

などについては税金はかかりません。

 

反対に老齢年金には税金がかかります。

老齢基礎年金や老齢厚生年金は

課税される年金ということになります。

 

『年金振込通知書』の項目、

具体的にみていきましょう。

 

このハガキは年金を口座振込で

受け取る方に対して

毎年 6 月頃に届きます。

 

天引きされる金額や受け取れる年金額、

振込先情報などが記載されています。

 

項目をひとつずつ簡単に解説していくと、

『年金支払額』は、1回に支払われる年金額です。

年金は2箇月分が偶数月に振り込まれます。

 

『介護保険料額』ここはそのまま、

介護保険の保険料の金額ですね。

 

その下、サンプルでは空欄となっていますが、

75 歳以上の方は『後期高齢者医療保険料』

75 歳未満の方は『国民健康保険料』

の金額が天引きの場合には記載されます。

 

コンビニなどで現金払いとした場合は

空欄のままとなります。

 

『所得税額および復興特別所得税額』は、

一番上の『年金支払額』から

介護保険や健康保険などの保険料と

各種控除額を差し引いた金額に

5.105 %の税率を掛けた金額が記載されます。

 

介護保険や健康保険の保険料とともに

差し引かれる金額として出てきた

各種控除とは何か?

 

主なものは「基礎控除」「配偶者控除」

「生命保険料控除」「医療費控除」

などがあります。

 

この中の基礎控除は

誰もが利用できる控除となっています。

 

年金支払額から、

この基礎控除を引いた金額に

税率を掛けるという順番になりますので、

他に控除できるものがあればあるほど、

税金の金額も少なくできる可能性が高くなります。

 

その下の『個人住民税額』は、

住民税の金額です。

 

一番下が『控除後振込額』

実際に指定口座へ入ってくる金額です。

 

ざっくりとした金額で恐縮ですが

『年金支払額』の 8 割程度、

多くても 9 割程度の金額が

控除後振込額になるかと思います。

 

 では、税金の部分、

所得税の金額はどのように決まるのか。

『年金』は所得の分類では

『雑所得』となっています。

 

公的年金の雑所得を求める計算式は、

【公的年金等の収入金額の合計額×割合-公的年金等控除額】

となります。

 

この他にも収入によって

計算式は様々あるのですが、

今回は老後の年金のみを

想定していますので

この計算式のみとなります。

 

国税庁の『令和2年度分の公的年金等控除額』

(※公的年金以外の所得の合計額 1,000 万円以下の場合)

『 65 歳以上の方は、年間 110 万円までは税金がかからない』

となっています。

 

110 万 1 円から 329 万 9,999 円までは、

110 万円が控除額となっています。

 

例えば、年金額が 180 万円だと

70 万円が課税所得、

税金がかかる金額になるわけです。

 

所得税がかかる場合には、

日本年金機構から、毎年 9 月以降に

『扶養親族等申告書』

が届きます。

 

この『扶養親族等申告書』

が送られてきた方は、

必ず内容を確認し必要事項を記入して、

期限内に提出してください。

 

翌年 2 月以降に受け取る年金から、

控除額など再計算された税金が

差し引かれるようになります。

 

ご参考に、

天引きや源泉徴収はされずに、

別途確定申告をしなければならない方もいます。

 

それは

公的年金等の収入金額の合計額が

400 万円を超えていて、

さらに公的年金等に係る

雑所得以外の所得金額が

20 万円を超えている方です。

 

もし該当する場合には、

確定申告が必要となりますので

手続きが必要となります。

 

ご参考になれば幸いです。