今回は
『主婦(妻)の年金と健康保険
夫が定年退職したらどうなるの?』
についてお話いたします。
専業主婦としてこれまでは旦那さんの年金に入り、
必要であれば旦那さんの健康保険証を使って
医療機関で治療を受けて生活をしてきた。
そろそろ旦那さんの会社勤めも定年がみえてきた。
そこで奥さん、妻は首をひねる。
『旦那が会社を辞めた場合、
妻である私の年金や健康保険はどうなるのだろう?』
と。
正解は、旦那さんのその後の働き方、
過ごし方によって変わります。
今まで通り年金の保険料の負担なく、
健康保険は保険証を使うという場合もあれば、
その期間が限定となってしまう場合もあります。
さらに、奥さん自身が
手続きをしなければならない場合も出てきます。
そこで、定年退職を控えた60歳代の夫と
専業主婦である60歳未満の妻を想定し、
今後妻が加入する年金制度と健康保険制度、
その手続きをお話したいと思います。
これから会社などを退職した
旦那さんがとる行動を4つご紹介いたします。
1) 会社員を続ける(厚生年金へ入りつつ働く)
勤務先の会社に引き続き勤める場合や
再就職など次の働く先が決まっている場合です。
2) 勤務先の健康保険制度へ任意継続して加入する。
詳しくは後ほどお話しますが、健康保険制度には
『任意継続被保険者』制度というものがあり、
会社を辞めた後でも向こう
2年間引き続き健康保険へ入ることができます。
この制度を活用する場合です。
3) 自営業を始める
または、会社などにおいて厚生年金に入らない程度の
日数や時間数で働くなど。
4) ご家族の扶養者となる
お子さんが会社などにお勤めであれば夫婦共に扶養に入る。
これまでは奥さんが旦那さんの扶養に入っていたのを、
ご夫婦がお子さんの扶養に入るという場合です。
ひとつずつみていきましょう。
会社員を続ける(厚生年金へ入りつつ働く)
この場合は、妻の年金及び健康保険は変更ありません。
年金は国民年金の第3号被保険者のままで
健康保険も旦那さんの健康保険証を使うことができます。
旦那さんが転職した時は
転職先の会社で手続きが必要となりますが、
奥さんがすべき手続きは特に発生しません。
冒頭でお話をしましたが、
奥さんは60歳未満を想定しています。
勤務先の健康保険制度へ任意継続して加入する
この場合は、健康保険は変更なく保険料は発生しませんが、
年金は手続きと保険料が発生します。
厳密に言えば健康保険も期間限定となりますので、
ここから説明していきます。
健康保険制度には『任意継続被保険者』制度というものがあり、
会社を辞めた後であっても2年間は引き続き
健康保険へ入ることができます。
そのため2年間は変更なく
旦那さんの健康保険証を使うことができますが、
期間が限定されます。
その後は旦那さんの行動により
健康保険か国民健康保険かが決まります。
ここでひとつお知らせです。
もし、旦那さんにこの『任意継続被保険者』制度の活用を
検討してもらう場合には、退職日の翌日から20日以内に
旦那さんが手続きをする必要がありますので、
覚えておいてください。
次は年金、手続きと保険料が発生します。
旦那さんは厚生年金の加入から外れたため
奥さんは国民年金への加入となります。
原則60歳までは加入となり、
ご自身での手続きが必要となります。
手続き方法は最後にご紹介いたします。
自営業を始める
会社などにおいて厚生年金に入らない程度の
日数や時間数で働く場合も該当します。
この場合は、
年金と健康保険ともに手続きと保険料が発生します。
年金については、旦那さんは厚生年金の加入から外れたため、
奥さんは国民年金への加入が必要となります。
原則60歳までは加入となり、
ご自身での手続きが必要となります。
健康保険については、旦那さんは健康保険から外れ、
国民健康保険へ加入することになります。
国民健康保険制度には『被扶養者』という区分けがないため、
奥さんも同様に国民健康保険へ加入することになります。
ちなみに健康保険と同じ医療費の負担割合は原則3割です。
ですが、保険料はかかることに注意してください。
ご家族の扶養者となる
この場合は、健康保険は保険料なし、
年金は手続きと保険料が発生します。
ご家族、例えばお子さんの健康保険に
入れてもらうことになります。
年収130万円未満などの条件があります。
手続きはお子さんのお勤めの会社が行います。
年金については、
旦那さんは厚生年金の加入から外れたため
奥さんは国民年金への加入となります。
原則60歳までは加入となり、
ご自身での手続きが必要となります。
国民健康保険及び国民年金の加入手続きについては、
住所地の市区町村の国民年金担当窓口や
国民健康保険担当窓口で行います。
運転免許証などの本人確認書類や年金手帳
または基礎年金番号通知書など必要になると思います。
保険料は国民年金保険料は現時点だと月額16,610円、
国民健康保険の保険料は各市町村で計算方法が異なるため、
気になる方はホームページなどで確認してみてください。
また、現在は郵送での手続きを推奨していると思います、
特別な手続き方法を実施しているかも知れませんので、
併せてご確認ください。
ご参考になれば幸いです。