今回は、

厚生年金加入者には上乗せの年金があるかも?

についてお話いたします。

 

厚生年金に加入している方、会社員なとの方は

老後の年金に上乗せの年金があるかも知れません?

 

日々働いてくれている会社員に対して、

老後の年金を手厚くするべくお勤めの会社が

企業年金に入っているケースがあります。

 

年金制度はよく2階建てと表現されますが、

1階部分が国民年金で、2階部分が厚生年金、

その3階部分として企業年金を

会社が用意したという訳ですね。

 

 

なぜ、

3階部分となる企業年金というものが

あるのか調べてみたところ、

企業年金連合会のサイトで

紹介されていました。

 

簡潔にまとめてお話すると

そもそも、人が離れる際にあるものを

渡すという行為の源は、

江戸時代の「のれん分け」にあると

言われているそうです。

 

明治時代以降は、

熟練労働者の足止め策の一つ(中堅社員の離職防止)

として定年退職時にまとまったお金を

支給する退職一時金制度が普及したと。

 

しかし、戦後の高度経済成長に伴い

退職者数および退職金額の増加により、

退職金の支払負担を平準化することが

経営上必要になってくる。

 

このような状況を背景に、

昭和37年に適格退職年金制度が、

昭和40年に厚生年金基金制度が

創設されました。

 

これらの制度が中心となり、

会社員の老後の所得保障に

大きな役割を果たしてきたが、

少子高齢化の進展など、

わが国の企業年金を取り巻く

情勢が大きく変動し、

平成13年、確定給付企業年金法

および確定拠出年金法の

2つの法律が制定されました。

 

ちなみに適格退職年金制度は

平成24年3月末で廃止されています。

 

話を戻しまして、企業年金のある会社に

お勤めの方は国民年金から貰える

老後の年金である老齢基礎年金と

厚生年金から貰える老齢厚生年金、

さらに企業年金から貰える年金が加わった

お金を貰うことができるという訳ですね。

 

今回はその企業年金について、

代表的な3つの制度をお話したいと思います。

 

1)確定給付企業年金

2)企業型確定拠出年金

3)厚生年金基金

 

となります。

 

会社員などの方は、

次の出勤日に一度知っていそうな部署や

上司に聴いてみるのはいかがでしょうか。

 

確定給付企業年金

確定給付とは

「将来貰える金額が確定している」

という意味です。

 

将来貰える金額は決まっているが、

掛金、掛ける金額は決まっていない

企業年金制度ということになります。

 

社員の将来の年金額を増やすべく、

企業が掛金を支払います。

企業が社員の掛金を負担して、

その積立金を運用する企業年金です。

 

企業が拠出する掛金の金額は、

「将来、この程度の利回りで

運用していこう(増やしていこう)」

という予定利率から逆算して決められています。

 

ただし、実際の運用利回りが

この予定利率を下回ると企業自身が

その穴埋めをしなければなりません。

 

つまり、運用リスクは企業が負っており、

また、どのような運用がされているのかも

分かりにくい性質を持っています。

 

種類は2つあって、

企業などが厚生労働大臣の認可を受けて

法人(企業年金基金)を設立する「基金型」と、

企業と社員(労使)合意の年金規約を企業が作成し、

厚生労働大臣の承認を受けて実施する「規約型」があります。

 

基金型は企業年金基金が、規約型は企業などが、

年金資産を管理・運用して将来の年金の給付を

行うことになります。

 

メリットは、

将来の年金額がある程度確認できるので、

老後の生活設計が立てやすい。

 

デメリットは、

自己都合退職などの場合、

貰える金額が減ってしまう場合があること。

 

企業型確定拠出年金

確定拠出年金とは、

確定拠出とは「掛金が確定している」

という意味です。

 

掛金の金額は決まっているが

老後に貰える金額は決まっていない制度

ということです。

 

企業型確定拠出年金とは、

企業が入る確定拠出年金です。

 

社員の将来の年金額を増やすべく、

企業が掛金を支払います。

社員は自らが運用商品を選び、

資産運用しその運用結果に基づく年金を

老後に受け取る制度です。

 

運用次第で将来の年金額が変動します。

少し掘り下げてみますね。

企業が掛金を支払うここはいいですよね。

社員自らが運用商品、

 

えっ運用商品?

 

まず運用商品は会社が用意してくれます。

運用する商品は金融商品のことで、

投資信託(株式や債券・リートなど詰め合わせ)、

元本確保型商品と言われる定期預金や

保険商品から選びます。

 

その選んだ商品の値動きによって

増えたり減ったりして結果、

老後に受け取る金額が決まります

という流れになります。

 

確定給付企業年金と違って、

運用リスクは加入者(社員の方)が

負うことになりますので、

企業はあらかじめ決められた掛金を

拠出すればよく、積立金の不足分を

穴埋めする必要がない制度となります。

 

企業年金の収支悪化によって

会社そのものの業績に影響を

与えることはないということです。

 

企業型確定拠出年金を導入している

民間企業の会社員は全員、

加入が義務付けられるもので、

加入者数は2017年で約648万人となっています。

 

確定拠出年金には「企業型」の他に

「個人型」もあります。

愛称をiDeCo(イデコ)と言います。

現在は国民のほぼすべての方が

加入できる制度になっています。

 

こちらは「個人型」なので

加入時の口座開設手続きや運用商品を

扱っている運営管理機関との契約から

運用商品の選択など、

すべて自分自身で決めていく

必要がある制度になります。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)について

お話をしている動画もありますので、

良かったら観てください。

 

厚生年金基金

ここは制度のお話だけに留めたいと思います。

厚生年金基金とは、会社が単独または

共同で設立する年金制度です。

厚生年金基金が年金資産を管理、運用します。

厚生年金の一部を国に代わって給付を実施する

代行部分があるのが大きな特徴です。

 

企業が社員と給付の内容を約束し、

老後において社員がその内容に基づいた給付を

受けることができる確定給付型の

企業年金制度の一つです。

 

企業や業界団体などが厚生労働大臣の認可を

受けて設立する法人である厚生年金基金が、

年金資産を管理・運用して年金給付を行います。

 

なお、厚生年金基金は

数少なくなってきているのが現状です。

 

最後に、

今回は企業年金について、

代表的な3つの制度をお話いたしました。

一つめが「確定給付企業年金」

二つめが「企業型確定拠出年金」

三つめが「厚生年金基金」

 

企業年金がある場合には、

入社時に説明されると思いますが忘れている場合も

ありますので、一度知っていそうな部署や上司に

聴いてみてもいいと思います。

 

ご参考になれば幸いです。