今回は

最低賃金1000円へ中小支援』について

日本経済新聞の記事からお話いたします。

 

簡単に記事の内容をご紹介しますと、

政府は最低賃金を全国平均で

時給1000円に引き上げる目標を

実現するため、省庁横断の検討会を

秋に立ち上げる方針。

 

最低賃金アップが重荷になる

中小企業への支援策を立案しつつ

年3%以上の日け上げを続けて

早期達成を目指す。

 

パート労働者ら厚生年金加入を

増やす制度改革の議論とも連動させ、

短時間労働など多様な働き方をする人たちの

年金増額にもつなげる。

 

 

最低賃金は企業が従業員に

支払わらなければならない最低限の時給を

都道府県ごとに定めるもので毎年改定している。

 

2019年度は全国平均で901円。

政府は、この全国平均をより早期に

1000円を目指すとした。

 

ただし、賃金が増額となる中小企業への

負担も重くなるため、企業支援策も立案する。

 

現在でも雇用保険には非正規労働者の

処遇改善を促す助成金などがあり、

これらの増額や要件緩和などが課題となる。

 

まだ、最低賃金の引き上げによって

厚生年金に加入するパート労働者が

増える効果も狙っている。

 

現在の適用要件のひとつである

企業規模の基準を引き下げて

加入対象者を増やすことも

検討しているとのこと。

 

ざっくりまとめると、

政府は、最低賃金1000円を早期に目指します。

賃金アップは中小企業にとって大きな負担になるため、

支援策も考えつつ実行します。

 

その一方で賃金アップは、

パート労働者をはじめとする短時間労働者に対して

厚生年金への加入を促進し老後の年金額の増額も

見込めます。

 

より加入しやすいよう条件を見直していきます。

 

このような内容でしょうか。

 

今回は、この記事から

3つ掘り下げてお話したいと思います。

 

最初に「最低賃金とは何か?

 

次に「雇用保険の中小企業支援策

現在は3つあり2つが助成金です。

経営層や管理職の方に参考になるかと思います。

どのような取り組みがあるのか。

 

最後に「厚生年金加入となる条件

パートやアルバイトの方が厚生年金に

加入となる条件と加入する際の

メリットとデメリットを考えてみたいと思います。

単純に時給が上がるのは嬉しいですけど、

保険料を払うことになって

手取りが減るのも考え所ですよね。

 

 

最低賃金とは何か?

最低賃金法という法律があります。

「労働者の安定した生活や、労働力の向上」

が目的です。

 

使用者(会社)が労働者(働く方)に対して

払う給料の最低額を定めた法律で

各都道府県ごとにその金額が定められています。

 

さすがに最低額がないと、

会社の言いなりに給料はいくらでも

よいことになります。

 

ちなみにこの最低額を

どうやって決めているのか。

 

まず、中央最低賃金審議会において

公益代表、労働者代表、使用者代表によって

審議され決定されます。

 

次に各都道府県にある

「地方最低賃金審議委員会」によって

審議され決めていく。

 

という流れになっています。

 

最低賃金は2種類あります。

地域別最低賃金」と「特定最低賃金」です。

 

地域別最低賃金」とは、

すべての労働者に適用される最低賃金のことです。

業界や職種は問わず、働いている

すべての方に対して各都道府県の最低賃金が適用されます。

 

特定最低賃金」とは、

特定の業界で働く方に対する最低賃金のことです。

 

最低賃金のことはわかったと、

自分の時給はどうやって調べるの?

 

計算の仕方をご紹介しますね。

時給の方、日給の方、月給の方の順でいきますね。

 

時給の方は簡単、時給の金額とお住まいの地域の

最低賃金額を比べるだけです。

 

日給の方は、日給を所定労働時間で割った金額と

最低賃金を比べてください。

所定労働時間とは、

会社が決めている1日の労働時間です。

就業規則に載っています。

 

最低賃金に日額が設定されている場合は、

日給と日給で比較してください。

 

月給の方は、給料を1ヶ月の平均所定労働時間で

割った金額を比べてください。

給料には、残業代・通勤手当は含めません。

 

都道府県ごとの最低賃金の金額と

計算のモデルケースが載っている

厚労省のサイトURLを貼っておきます。

 

地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

最低賃金額以上かどうかを確認する方法(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm

 

雇用保険の中小企業支援策

厚生年金に加入する社員が多くなると、

会社は事業主負担である保険料の半額を

新たに負担することになります。

 

パートやアルバイトを多く活用している

中小企業は重荷になってしまいます。


そこで、厚生労働省は経済産業省と連携し、

最低賃金の引上げにより大きな影響を

受ける中小企業に対して支援を実施しています。

 

3つご紹介いたします。

1)専門家派遣・相談等支援事業(全国的支援策)

生産性向上などの経営改善に取り組む

中小企業の労働条件管理などのご相談などの

窓口を開設しています。

 

2)業務改善助成金

中小企業・小規模事業者の生産性向上のための

設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金を

一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、

その設備投資などにかかった経費の一部を助成します。

なお、申請期限は来年の1月31日までです。

 

3)時間外労働等改善助成金(団体推進コース)

業種別団体の賃金底上げのための取組を支援。

業界全体としての生産性向上と労働者の

賃金引上げを目的とした販路拡大のための

市場調査や新たなビジネスモデル開発などの

取組に対して助成をします。

なお、交付申請期限は2019年10月31日までです。

 

「雇用保険の中小企業支援策」については、

それぞれ細かい要件などがありますので

気になる方は確認してみてください。

 

厚生年金加入となる条件

現在の厚生年金加入の条件について

ご紹介します。

健康保険も併せて入りますので

社会保険加入の条件ですね。

 

○ お勤めの会社の従業員数(正社員など)は、
500人を超えている

○ 1週間あたりの決まった労働時間は20時間以上

○ 1か月あたりの決まった賃金は88,000円以上

○ 雇用期間が1年以上の予定、更新の見込あり

○ 学生でない(夜間・定時制も学生ではない)

 

すべての条件を満たすと加入となります。

逆にどれかひとつでも満たさなければ
加入とはなりません。

 

例えば、週に20時間働こうが1ヶ月10万円だろうが

500人以下の会社なら対象外。

1年以上働く予定で学生でもないが、

月7万なら対象外となる訳です。

 

では、加入することの

メリットとデメリットを考えてみましょう。

 

メリットは、老後に貰える年金額が増える

この1点に尽きると思います。

 

対象となる方の多くは専業主婦(主夫)の方が

多いと思います。

これまで旦那さん(奥さん)の扶養に入って

健康保険は被扶養者として旦那さんの健康保険を使って、

年金は第三号被保険者として旦那さんの厚生年金保険料で

賄うという働き方をしてきたと思います。

 

健康保険の被保険者という立場になるので、

ケガや病気で仕事を休んだ時には

傷病手当金」という所得保障、

給料の2/3程度のお金を貰うことができます。

 

同じく、出産によって仕事を休む時にも

出産手当金」として、

給料の2/3程度のお金を貰うことができます。

もちろん、貰うための条件をクリアしないと貰えません。

 

デメリットは給料の手取り額が減ることです。

デメリットとしては大きいですよね。

 

将来の年金額や仕事を休んだ時の保障を取るか、

直近の手取り額の多さを取るか。

あなた次第としか言いようがないですね。

 

ご参考になれば幸いです。