今回は
『 60 歳以降の健康保険ココが変わる!』
についてお話いたします。
還暦となる 60 歳、会社勤めの方の多くは
この 年齢がひとつの区切りになります。
60 歳を境に働き方が変わっていく、
自ら選んでいくことも多いと思います。
お勤めの会社で引き続き
仕事内容も変わらす働く方、
仕事内容が変わり働く方、
この機に転職、知り合いの会社で働く方、
さまざまな選択肢があると思います。
いずれにせよ、会社などであれば
一般的には厚生年金へ加入しますので、
社会保険は厚生年金及び健康保険に
落ち着くことになると思います。
厚生年金は現在 70 歳まで加入です。
70 歳までは、給料から厚生年金と健康保険の
保険料が天引きされていくわけですね。
ケガや病気をした時には、
お近くの病院などで治療を受けます。
受付で『保険証』を見せて会計する。
治療費は自己負担分の金額で済むます。
転職をした場合であっても、
転職先の会社から受け取る
保険証を使うことになります。
『これまでと大して変わらないなら、
気にする必要もないかな?』
と思われるかも知れません
確かに大きな変化はないのですが、
実は健康保険制度、
60 歳以降はちょこちょこ変わります。
制度の運営主体が変わったり、
治療費の自己負担割合が
変更されたりします。
先日、私の両親から連絡があり、
『健康保険に関する書類が、
いつもと違うところから届いたが平気?』
と電話がかかってきました。
内容を確認するとこの健康保険制度の
切り替えの時期だったことがわかりました、
何の問題もありません。
ですが、
知らなければ不安になりますよね。
お勤めの会社で引き続き働いたり、
再就職をして別の会社で働いたり、
これらの場合は、健康保険に加入となります。
健康保険は厚生年金とセットで
加入するとお考えください。
手続きは会社がしてくれます。
厚生年金に加入となる条件は、
現在だと、1週間の労働時間が 20 時間以上や
給料が 88,000 円以上、
雇用期間の見込みが1年以上など
となっています。
これらの条件を満たす働き方だと、
厚生年金と健康保険に加入すると
覚えておいてください。
転職をする方で気になる場合は、
転職先の会社へ健康保険について
確認しておきましょう。
ここからが本題です。
同じ会社で継続して働いても、
転職して別の会社で働いても
健康保険制度に入ることは一緒です。
お医者さんや病院へ行って窓口で
保険証を提示することも一緒です。
ですが、
健康保険の運営主体が切り替わったり、
医療費の自己負担割合が変わったりします。
年齢によって切り替わります。
では、どのように切り替わっていくのか。
60 歳から 69 歳までは、
健康保険へ加入となり
原則3割の医療費自己負担割合です。
制度の運営主体は、
大企業に勤務であれば健康保険組合が多く、
中小企業であれば協会けんぽとなります。
公務員の方の場合は共済組合となります。
70 歳から 74 歳までは、
健康保険へ加入は変わりませんが、
自己負担割合が原則2割(3割)に
軽減されます。
そして 75 歳になると、
すべての方がそれまでに加入していた
健康保険などから外れて
『後期高齢者医療制度』という制度に、
個人単位で加入することになります。
医療費の自己負担割合は
原則1割に軽減されます。
また、管轄は各都道府県になりますので、
75歳を境にして、郵送などによる
お知らせは都道府県から届くことになります。
ざっくりまとめると、
60 歳から 69 歳までの
医療費の自己負担割合は原則3割、
74 歳までは原則2割、
75 歳以上は原則1割です。
例外として、
現役世代並みの収入がある方は
3割負担となる場合があります。
また、75 歳になると『後期高齢者医療制度』と
運営主体がこれまでと異なりますので、
郵送物などの送り主にはご注意をとなります。
ここまでは、
会社などで働く場合のお話でした。
では、週に 2 日や 3 日働く方は
どうすればいいのか。
つまり、健康保険に入らない、
厚生年金に入らないよう働く方の場合ですね。
選択肢は3つになると思います。
1)健康保険の任意継続被保険者制度を活用する
『任意継続被保険者制度』とは、
退職後も在職中に加入していた健康保険制度に
引き続き加入できる制度です。
この制度を使うための条件は、
退職日までに被保険者期間が継続して
2 か月間以上あることです。
普通に働いていての退職であれば
問題なく活用できると思います。
注意して欲しい点は、
退職日から 20 日以内に
書類を提出する必要があることです。
退職前の会社の健康保険の保険者が
健康保険組合ならその組合へ、
協会けんぽなら各都道府県支部へ
『健康保険任意継続被保険者資格取得申出書』を
提出することが必要となります。
任意継続できる期間は退職日から 2 年間、
医療費の負担割合は、
本人とご家族原則3割負担となります。
ただし、保険料は全額自己負担(上限額あり)です。
2)国民健康保険へ加入する
健康保険へ加入していない方は、
原則、すべての方が加入することになります。
国民健康保険には、
被保険者や被扶養者という区別はなく、
加入者すべてが被保険者本人となります。
医療費の負担割合は、原則3割負担となります。
手続きは、退職した会社から
「健康保険被保険者資格喪失証明書」
をもらいます。
退職日の翌日から
14 日以内にお住まいの市区町村の
担当窓口にて手続きを行います。
なお、保険料は前年の所得を元に計算されるため、
退職した翌年の保険料は少々高額に感じるかと思います。
なお、国民健康保険へ加入していても、
75 歳になれば『後期高齢者医療制度』への
加入に切り替わります。
3)ご家族の健康保険の被扶養者になる
例えば、退職後は専業主婦として
旦那さんの被扶養者になる場合ですね。
この場合は保険料の負担はありません。
被扶養者になるための条件はいくつかありまして、
主な条件は年間の収入が 60 歳以上なら
180 万円未満( 60 歳未満は 130 万円)で、
扶養者の収入によって生計を維持しているなどがあります。
手続きは、退職日の翌日から 5 日以内です。
旦那さんの会社へ『被扶養者届』を提出すれば完了です。
ご参考になれば幸いです。