今回は
雇用保険の『広域求職活動費』についてお話します。
地方の会社への転職を考えている、
書類選考はいいとしても面接となれば
会社まで出向かないといけない。
そのような時条件に合えば、
交通費はもちろんのことホテル代まで
出してくれる給付金です。
具体的な内容に入っていくと、
『広域求職活動費』は
雇用保険の就職促進給付のひとつです。
ハローワークの紹介によって遠隔地にある
求人事業所を訪問して、求人者と面接等をした場合
（この流れを『広域求職活動』と呼びます）
に支給されます。
わかりやすく言い直せば、
ハローワークで見つけた会社が県外などにあり、
そこに面接をしに行く際には交通費や
ホテル代を出しますよ条件に合えばね、
という制度です。
どのような費用を支給してくれるのか。
５種類用意されています。
鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、宿泊料があります。
電車、船、飛行機、バスなどとホテル代ですね。
面接の会場への交通費と宿泊費を出してくれるわけですね。
では、この『広域求職活動費』。
もらうための条件は５つです。
１ 雇用保険の受給資格者であること
雇用保険の受給資格者とは、
基本手当（失業手当）の支給を受けることが
できる資格を受給資格といって、
この資格がある方を受給資格者といいます。
ざっくりと言えば、
会社を辞めて次の会社などを探していて、
辞めた日以前 2 年間に雇用保険に通算して
12 箇月以上入っていた方
（解雇された方もしくは会社が倒産した方などは
以前１年間に 6 箇月以上と短縮）。
これらの条件を満たした方は『受給資格者』となります。
正社員や契約社員、派遣社員の方などですね。
※ 広域求職活動の指示を受ける時点で、
受給資格者であれば、広域求職活動を開始する時点で、
受給資格者でなくても対象となります。
２ ハローワークに紹介された求人が、
その受給資格者の方に適当と認められる
管轄区域外に所在する事業所のもので、
その事業所の常用求人であること
常用求人とは、いつも働いてくれる方を
探している求人ということですね。
正社員に限りませんのでこの点は
活用する時にハローワークに確認してください。
３ 雇用保険の受給手続を行っているハローワークから、
訪問する求人事業の所在地を管轄するハローワークの間の
距離（往復）が、交通費計算の基礎となります。
鉄道等の距離で200キロメートル以上あること。
日本地図を広げて確認できませんので、
広域求職活動費の対象となるか
係りの人に質問してみましょう。
４ 雇用保険の待期期間が経過した後に、
広域求職活動を開始したこと
雇用保険の基本手当は、
離職票の提出と求職の申込みを行った日から
通算して7日間を待期期間と位置づけています。
本当に会社を辞めて
次を探しているのかの確認の期間ですね。
この待機期間の後の活動であること。
５ 広域求職活動に要する費用が、
訪問先の求人事業所の事業主から支給されないこと、
またはその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと。
面接した会社から交通などをもらった場合や、
交通費などをもらったが広域求職活動費の額より
少なかった場合ということですね。
広域求職活動費の金額
鉄道賃、船賃、航空賃および車賃については、
雇用保険の受給手続を行っている
ハローワークの所在地から、
訪問する求人事業所の所在地を管轄する
ハローワークの所在地までの順路について、
通常の経路および方法により計算した
運賃等の額が支給されます。
宿泊料については、交通費計算の基礎となる
鉄道等の距離が 400 キロメートル以上ある場合に支給され、
その距離と、訪問する求人事業所の数に
応じて金額が決まっています。
広域求職活動費の支給手続き
１）ハローワーク
広域求職活動費の支給対象となる会社など
求人を紹介された場合、２つの用紙が手渡されます。
『広域求職活動指示書』『広域求職活動面接等訪問証明書』
２）面接地
面接をした会社へ
『広域求職活動面接等訪問証明書』
を提出して、事業主証明欄の記載をお願いします。
３）書類の提出
広域求職活動を終了した日の翌日から
10 日以内に、ハローワークへ４つの書類を提出します。
『支給申請書』『広域求職活動指示書』
『雇用保険受給資格者証』
『広域求職活動面接等訪問証明書』
この４つを提出すれば手続きは完了です。
ご参考になれば幸いです。
