今回は

老後の年金に税金が掛かるってホント?

についてお話いたします。

 

老後にもらう年金、老齢年金。

将来の生活費となる大切なお金です。

 

年金の保険料は、会社員や公務員、会社などで

働く方は給料から天引きで引かれて、

自営業やフリーランスの方などは

ご自身で払ってきました。

 

長い間保険料を払ってきて、

ついに年金を手にするその時、

驚愕の事実を知ることになります。

 

ちょっと大げさな言い回しですみません、

すでに年金をもらっている方には

『年金振込通知書』というハガキが

日本年金機構から届いています。

 

これから年金をもらう方は

いずれ同様のハガキが届きます。

 

細かいですが項目を見ていくと、

上から『年金支払額』『介護保険料額』

『所得税額および復興特別所得税額』

『個人住民税額』『控除後振込額』

とあります。

 

ご想像の通り、いくつかの項目の金額が

引かれた後の『控除後振込額』が

実際に手にする金額ということになります。

 

動画内ではサンプルを

表示して解説をしています。

文章ではわかりづらい点もありますので、

できれば動画視聴をお勧めいたします。

 

 

ハガキにはたくさんの項目がありますが、

老後の年金をもらう方すべてに

税金がかかるわけではありません。

 

税金が取られる方、丸々もらえる方がいます。

そこには一定のルールが存在します。

一定のルールとは税金のルールです。

年金以上に複雑な税金。

 

そこで今回は

『老後の年金には税金がかかる』

ということを知っていただくことが

目的のお話。

 

老後は年金のみでの生活を想定して

どのようなルールとなるのか

お話をしていきたいと思います。

 

ねんきん定期便などで

老後にもらえる年金の見込額はわかります。

ですがその金額が丸々懐に入るのかと言えば、

実は違うのです。

 

所得税などの税金や介護保険、

国民健康保険などの保険料が

天引きされることとなります。

 

初めて聞いた方は、

老後にもらえる年金、

保険料をずっと払ってきたのに

もらう時には税金がかかるってウソでしょ!

と思うかも知れません。

 

公的年金の年金の種類は3つです。

老齢年金(老後にもらえる年金)

障害年金(障害の状態になった時にもらえる年金)

遺族年金(亡くなった時にその遺族がもらえる年金)

となります。

 

このうち、障害年金と遺族年金は

その性格上税金はかかりません。

老齢年金は別で税金が取られます。

課税されてしまいます。

 

先ほどご紹介した『年金振込通知書』は

年金を口座振込で受け取る方に対して、

毎年6月に翌年の4月まで受け取れる

年金額が記載されて届きます。

 

項目をひとつずつみていくと、

 

『年金支払額』

1回に支払われる年金額です。

年金は2箇月分が偶数月に

振り込まれることになっています。

 

『介護保険料額』

ここはそのまま、介護保険の保険料です。

 

その下、サンプルでは空欄となっていますが、

『後期高齢者医療保険料(75歳以上の方)』

もしくは『国民健康保険料』

天引きの場合には記載されます。

 

所得税額および復興特別所得税額

一番上の『年金支払額』から介護保険や

健康保険などの保険料と各種控除額を

差し引いた金額に 5.105 %の税率を

掛けた金額が記載されます。

 

税金、所得税が取られるわけです。

 

ここで各種控除とは何か?

主なものは、「基礎控除」「社会保険料控除」

「配偶者控除」「生命保険料控除」「医療費控除」

などがあります。

 

例えば、この中の誰もが利用できる

『基礎控除』は 38 万円です。

 

年金支払額から 38 万円を引いた金額に

税率を掛けるという流れになります。

控除できるものが多い方は税額も

少なくなる可能性が高いわけです。

 

その下の『個人住民税額

天引きされる住民税の金額が記載されます。

 

そして一番下が『控除後振込額

介護保険料や国民健康保険料、

税金などが引かれて、実際に指定口座へ

入ってくる金額となります。

 

一般的には『年金支払額』の 8 割程度、

多くて9割の金額になるとお考えください。

 

税金の金額が決まるルール、

計算式はどのようなものかと言いますと

『年金』は所得の分類では

『雑所得』として扱われます。

 

公的年金の雑所得を求める計算式は、

公的年金等の収入金額の合計額×割合-公的年金等控除額

=公的年金等の雑所得

 

収入によって計算式は異なりますが、

今回は老後の年金のみをもらっていることを

想定していますのでこの計算式だけです。

 

国税庁のサイトから、計算式をもってきました。

説明を簡単にわかりやすくするため

『令和元年度分の公的年金等控除額』

説明いたします。

 

年金を受け取る方の年齢が

「 65 歳未満」と「 65 歳以上」とでは、

かかる税金の計算方法が違ってきます。

 

具体的には、65 歳を境に税額を

計算するときに引かれる『控除額』が

変わります。

 

細かい数字の紹介は省いて

要点だけお伝えしますね。

 

この表からは

『 65 歳未満は年間 70 万円までは

税金はかからない』

『 65 歳以上は年間 120 万円までは

税金はかからない』

ということがわかります。

 

さらに、誰もが利用できる

『基礎控除』38 万円がありますので、

65歳未満で国民年金や厚生年金の

老後の年金のみが収入となっている方は

年金額の合計が年間で 108 万円以下の場合は

税金がかからない。

 

(公的年金等控除額 70 万円+基礎控除 38 万円)

 

65 歳以上で国民年金や厚生年金の

老後の年金のみが収入となっている方は

年金額の合計が年間で 158 万円以下の場合は

税金がかからないということになります。

 

(公的年金等控除額 120 万円+基礎控除 38 万円)

 

65 歳未満は 108 万円以下で、

65 歳以上は 158 万円以下ということです。

これらの金額を超えると

税金がかかってくるという仕組みです。

 

なお、年金をもらっている方で

所得税がかかる場合には、日本年金機構から、

毎年 9 月頃に『扶養親族等申告書』が届きます。

 

この『扶養親族等申告書』が送られてきた方は、

必ず内容を確認し必要事項を記入して、

期限内に提出するようにしましょう。

 

翌年 2 月以降に受け取る年金から、

控除額など再計算された税金が

差し引かれるようになります。

 

中には天引き、源泉徴収はされずに、

別途確定申告をしなければならない方ももいます。

それは公的年金等の収入金額の合計額が

400 万円を超えていて、さらに公的年金等に係る

雑所得以外の所得金額が 20 万円を超えている方は

確定申告が必要となりますのでご注意ください。

 

参考になれば幸いです。