今回は
『老齢年金をもらうための【受給資格期間】とは?』
をお話いたします。
公的年金制度は、
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の
すべての方が加入することとなります。
自営業やフリーランス、専業主婦、
学生、無職の方などは国民年金制度へ入り、
会社員や公務員の方、パートやアルバイトで
厚生年金に入っている方は
厚生年金制度へ入ることとなります。
老後の年金は原則65歳から。
国民年金から『老齢基礎年金』がもらえて、
厚生年金から『老齢厚生年金』を
もらうことができます。
厚生年金に入っている方は、
『老齢基礎年金』と『老齢厚生年金』
の2つがもらえます。
国民年金の老齢基礎年金も厚生年金の老齢厚生年金も、
もらうためには共通の条件があります。
それは
『公的年金の保険料を10年以上払っていること』
です。
テレビや新聞、雑誌などで
『年金は保険料を10年以上払っていないともらえない』
ことはご存じの方も多いと思います。
この10年を『受給資格期間』と言います。
では、この10年という期間。
含めることができる期間は複数存在することは
ご存じでしょうか?
保険料を払っていなくとも
この10年に含めることが可能な期間があります。
その期間とは、
1) 国民年金の保険料を納めた期間
2) 国民年金保険料の免除、学生納付特例等の納付猶予の期間
3) 昭和36年4月以降の厚生年金保険の被保険者及び共済組合の組合員であった期間
4) 第3号被保険者であった期間
5) 国民年金に任意加入できる方が任意加入していなかった期間など
この5つの期間の合計が、
10年以上であれば年金を支給するとなっています。
会社員や公務員の方にとってみても、
この『10年』という条件と合わせて
厚生年金へ1カ月加入で65歳から支給の
『老齢厚生年金』がもらえて、
『10年』と厚生年金1年間加入で
60歳代前半から支給の『特別支給の老齢厚生年金』
がもらえる条件にも入ってきます。
また、ずっと専業主婦の方であっても
関係してくるお話でもあります。
5つの期間はどのようなものか、
解説していきますので、
この機会に知っておくのはいかがでしょうか?
国民年金の保険料を納めた期間
自営業やフリーランス、専業主婦、学生、無職の方などは、
現在だと毎月16,540円の国民年金保険料を
支払うこととなっています。※令和3年度は16,610円です。
会社員や公務員の方、パートやアルバイトで
厚生年金に入っている方は、給料から天引きで
厚生年金保険料を払っていると思います。
この保険料に国民年金保険料も含まれています。
国民年金保険料の免除、学生納付特例等の納付猶予の期間
収入の減少や失業等により、
国民年金保険料を納められない場合があります。
そのような状況を防ぐため、
保険料を「免除」または「猶予」する制度が
用意されています。
本人、配偶者、世帯主それぞれの前年所得が
一定額以下の場合に、保険料が全額免除
または一部免除となります。
50歳未満の方で、本人、配偶者
それぞれの前年所得が一定額以下の場合に、
保険料納付が猶予されます。
また、学生納付特例制度といった、
前年所得が基準以下の学生を対象とした、
国民年金保険料の納付が猶予される制度もあります。
S36.4以降の厚生年金の被保険者及び共済組合の組合員の期間
第3号被保険者であった期間
第3号被保険者とは、厚生年金や共済組合に
加入している方に扶養されている
20歳以上60歳未満の配偶者のことを言います。
配偶者の年収は130万円未満であることが
原則必要となります。
なお、配偶者ご自身の保険料の負担は発生しません。
国民年金に任意加入できる方が任意加入しなかった期間など
合算対象期間という期間のことを指しますが
大変複雑ですのでざっくり紹介すると、
〇 昭和61年3月以前に、会社員などの配偶者だった期間
〇 平成3年3月以前に、学生だった期間
〇 海外に住んでいた期間
〇 脱退手当金の支給対象となった期間
などが、合算対象期間(カラ期間)に該当します。
主な合算対象期間は、
厚生労働省のお知らせに記載されていますので、
気になる方は下のリンクから確認してみてください。
なお、『ねんきん定期便』には、
合算対象期間〇〇月という欄もあるのでそちらでも
確認できます。
今回のお話は老齢年金を
受け取るための資格『受給資格期間』です。
老齢年金をもらうための10年に含めることはできますが、
年金額には反映されません。
後から保険料を支払うことも可能ですので、
該当した方は考えてみてください。
ご参考になれば幸いです。