今回は

パートやアルバイトでも厚生年金加入となる条件3つ

についてお話いたします。

 

人生100年時代、今後ご家族で新たに

働き始める方がいらっしゃるかも知れません。

できる範囲で働く、パートやアルバイトで働こう。

 

そのような時、厚生年金に加入となるのかならないのか。

加入となれば老後の年金は増えるかも知れないけれど、

毎月年金保険料が天引きとなって手取り額が減ってしまう。

 

入った方がいいのか入らない方がいいのか、

は一旦横に置いて、そもそもパートやアルバイトでも

厚生年金に加入することになるのか。

 

ここに焦点を当ててお話したいと思います。

 

 

タイトルでおわかりの通り、

条件3つを満たすと厚生年金に加入となります。

 

その条件3つのうち、

特に重要で知っておいて欲しいことがあります。

 

それは、『パートやアルバイトをして

働く会社などの規模を確認すること』です。

 

働く会社を従業員の人数(従業員数)で

選ぶことが今後は重要となります。

 

というのも、

厚生年金に加入することとなる条件の中で、

ご自身でコントロールすることが

できない条件だからです。

 

これから、厚生年金加入となる条件を

3つ紹介していきます。

ご自身でコントロールできるか

できないかという視点でみてみると、

コントロールできない条件1つと

コントロールできる条件2つに分けることができます。

 

3つの条件をすべて満たすことで

厚生年金加入となりますので、

厚生年金に加入して働く、加入してもよい

という方は条件3つを満たすように

働くことを考えながら観ていただき、

厚生年金には加入しないで働きたい方は、

条件3つのうちいずれかを満たさない、

条件に合わない働き方を考えながら

観ていただければいいのかなと思います。

 

まず、ご自身でコントロールできない条件1つ

従業員数』をお話して、

次に、ご自身でコントロールできる条件2つを

ご紹介していきます。

 

ご自身でコントロールできない条件

従業員数』です。

 

こればかりは働く前に知っておかないと

どうしようもありません。

改正の経緯と今後の流れからお話しますね。

 

2016年10月から、

この従業員数は500名を超えた会社など、

501名以上の会社などが適用となっています。

 

そして、2017年4月からは、

従業員数500人以下の会社であっても、

会社側と働く側の合意があれば、

厚生年金への加入を認めます、となっています。

 

つまり、500名以下の会社などであっても、

中には『うちは厚生年金に加入してもらっています

という所もあるという訳ですね。

気になる方は働く前に確認しましょう。

 

今後は、2022年10月から、

この従業員数が100名を超える、101名以上となり、

2024年10月からは、従業員数 50人を超える、

51名以上となります。かなり少なくなります。

 

厚生年金への加入対象者が増えていく、

拡大していくという流れになっています。

 

ここでいう従業員数とは、ざっくりと言えば、

正社員の方とそれに準ずる方の人数の合計となります。

正社員の方はフルタイムで働いている方。

 

その1週間で働く時間と1ヶ月に働く日数、

この3/4以上の時間・日数で働く方(正社員に準ずる方)も

従業員数として数えられます。

 

例えば、正社員の方が月に20日、

1週間40時間働く会社であれば、

月に15日以上、かつ1週間30時間以上働く方も

含めた人数ということになります。

 

難しく聞こえるかも知れませんが、

要するにこれまでその会社において

厚生年金に加入となっていた方すべての人数を

カウントするということです。

 

では、どの時点においての従業員数で

条件を満たしたか否かをみるのか。

と言えば、直近12ヵ月のうち6ヵ月において

条件を上回った時点で判断されます。

 

1年間のうち、

半分の月で501名以上になった時点で条件を満たした、

と判断する訳ですね。

 

また、一度条件を満たすとその後従業員数が

条件を下回った場合でも原則そのまま、

条件を満たしたままとなります。

 

ご自身でコントロールできる条件2つ

労働時間』と『給料の金額』の2つとなります。

 

労働時間

1週間の所定労働時間が20時間以上あること

1週間で20時間以上働く方となります。

 

週4日勤務なら1日5時間以上、

週3日勤務なら7時間程度となります。

 

20時間の判断については、基本的には、

契約上の所定労働時間でみることになりますので、

急に発生した残業時間などは含めません。

 

また、この20時間以上。

これまでは、正社員の3/4以上という条件で

概ね30時間以上での厚生年金加入となっていました。

それが20時間と、2/3と敷居が下がったという訳ですね。

 

現在も、従業員数500名以下の会社であれば、

この3/4の条件は適用されます。

 

給料の金額

月の給料が88,000円以上であること。

 

この金額には、残業代や休日・深夜労働の割増分や

賞与(ボーナス)などは含みません。

なぜ、88,000円と中途半端な金額なのか。

 

10万円とキリの良い数字でも

いいのではと思いますが。この金額は月額です、

12倍して年額にするとわかるかも知れません。

 

88,000円に12を掛けると105万6千円、

約106万円となります。

 

聞いたことないですか。年収の壁106万円。

106万円に達すると社会保険、

厚生年金と健康保険へ加入となる、

その境目を壁と表現して106万円の壁。

 

ここでは年収の壁ならぬ、

月額の壁として88,000円が登場している訳です。

 

ちなみに、年収の壁はいくつか種類があって、

100万円の壁(住民税の壁)

103万円の壁(所得税の壁)

106万円の壁(社会保険料の壁)

130万円の壁(扶養の壁)などがあります。

 

気になった方は、

過去の動画で『年収の壁』を解説していますので、

よかったら観てください。 

少し補足させてください。

 

条件は2つと紹介していますが、

実はもうひとつ条件があります。

 

学生でないこと』です。

学業を本分とする学生さん、

昼間学校へ通っている学生さんのことですね。

 

この動画を観ている方で昼間学校に

通っている学生さんはいないと思いますので、

今回は取り上げていません。

 

ですが、『学生さんでないこと』も

条件のひとつに入っています。

 

また、

これまでは『1年以上雇用される見込みがあること』

条件にありましたが、法改正によって撤廃されます。

 

その代り『2ヵ月を超える雇用見込があること』が

適用されていくことになります。

 

現状では、契約期間1年未満で更新がある旨の記載もなく

更新の前例もない場合には、

厚生年金加入から除外することとなっています。

 

最後にまとめましょう。

パートやアルバイトでも厚生年金加入となる条件3つ。

『従業員数』と『労働時間』と『給料の金額』。

 

『従業員数』現在は、

501名以上の会社などが厚生年金加入の条件に入っている。

また、500名以下であっても会社によっては、

厚生年金に加入するところもある。

 

2022年10月には、101名以上に、

2024年10月には、51名以上と

従業員規模が緩和させていきます。

 

『労働時間』1週間の所定労働時間が20時間以上あること。

『給料の金額』月の給料が88,000円以上であること。

 

この3つ、細かく言えば『学生さんでないこと』を

含めて4つの条件を満たすと厚生年金に

加入することになります。

 

今後、パートやアルバイトを始めようかと

考えている方のご参考になれば幸いです。