今回は

パート・アルバイトの有給休暇

についてお話いたします。

 

緊急事態宣言が出されて、※執筆は5月時点

お店が臨時休業となって働くことができない、

開店休業状態となって、社員たちはテレワーク、

在宅勤務をしているけど、

パートやアルバイトはテレワークができない。

休業手当ももらえない。

 

このような時には有休、有給休暇を使えばいいのかな。

でも有休って、正社員だけの制度なのか?

社員よりも働く時間が短く、また時間給で働く

パートやアルバイトはそもそも有給休暇ってあるのかな?

 

と考えている方は多いのではないでしょうか。

 

答えから先に言うと、条件に合えば、

パートやアルバイトであっても有給休暇はもらえます。

もう少し的確に言うと、有給休暇取得の権利が発生します。

労働基準法第26条に規定されています。

 

つまり、正社員でもパートでもアルバイトでも派遣社員でも、

それなりの期間をそれなりの真面目さで

働いている方なら有休は使えるということになります。

 

ここで言うそれなりの期間と

それなりの真面目さが

有休を手にするための条件となります。

 

始めに、有休を手に入れるための条件とは何か?

次に、手にする有休は何日間になるのか?

最後に、有休を使って休んだら、いくらもらえるのか?

 

についてお話いたします。

 

 

有休を手に入れるための条件

有給休暇を手にするための条件は2つです。

 

条件1:雇入れの日から、6か月継続して働いていること

 

雇入れ、入社した日、働き始めた日からという意味ですね。

もしお手元に雇用契約書や労働条件通知者があれば

働き始めた日が確認できます。

 

そこまで厳密になる必要もなく、

6箇月は働いているなぁと感じれば

ひとつめの条件はクリアとなります。

 

逆に6箇月未満だと働けない日は無給、

給料は出ませんということですね。

 

条件2:その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

 

全労働日とは、働く日、

シフトに入って働く日ということですね。

6箇月間の働く日を振り返ってみて、

8割以上真面目に出勤していれば

この条件はクリアとなります。

 

有給休暇を手にするための条件はこの2つ。

とてもシンプルな規定です。

それなりの期間(6箇月)と

それなりの真面目さ(8割以上出勤)を満たすと

有休級を使えるようになるというわけです。

 

手にする有休は何日間

この2つの条件、雇入れの日から、

6か月継続して働いていること、

とその期間の全労働日の8割以上出勤したこと、

をクリアすると有休は何日間手に入るのか?

 

まず、正社員、フルタイムで働く方から、

この場合は10日分の有休が発生します。

フルタイムで働く場合の規定ですから、

もし、パートやアルバイトの方であっても、

1週間の労働時間が30時間以上

もしくは週5日シフトに入って働く契約の場合は、

正社員と同じ10日分の有給が発生することになります。

 

週に働く日数と働く時間の合計によって

手に入る有休の日数が決まるという訳です。

 

次に、パートやアルバイトの方で、

1週間に30時間未満もしくは

4日以下のシフトで働く場合、

お察しの通り10日よりは

少ない有休の日数となります。

 

週に働く日数で決まります。

比例付与』と言います。

働く日数によって、比例して有休が付与、

手に入りますという意味合いです。

 

具体的な日数をご紹介すると、

働き始めてから6か月後に手に入る有給休暇の日数

・週4日勤務(または年間「169日~216日」の場合)……7日

・週3日勤務(または年間「121日~168日」の場合)……5日

・週2日勤務(または年間「73日~120日の場合)……3日

・週1日勤務(または年間「48日~72日」の場合)……1日

 

となります。週1日勤務でも2日勤務でも、

実は有休、発生します。

 

さらに、このまま働き続けていくと

1年ごとに有休が発生し、

その都度日数は加算されていきます。

 

6箇月の後は1年6箇月後に、

その後は2年6箇月と1年単位で

増えていく仕組みです。

 

この1年において、

条件ふたつめの全労働日8割以上を

出勤したことをクリアすることは必要です。

満たしていれば

 

働き始めてから1年6箇月後に手に入る有給休暇の日数

・週4日勤務(または年間「169日~216日」の場合)……8日

・週3日勤務(または年間「121日~168日」の場合)……6日

・週2日勤務(または年間「73日~120日の場合)……4日

・週1日勤務(または年間「48日~72日」の場合)……2日

 

6箇月後に手に入る日数よりも

1日増えていますよね。

この後も増えていきますが

紹介はここまでにします。

 

気になる方は下記のサイトにて確認して

みてください。

厚労省 年次有給休暇 付与日

 

有休を使って休んだら、いくらもらえるの

正社員の方であれば、月給制の方であれば、

有給申請を出せば欠勤扱いされず、

月の給料は変わらず振り込まれます。

金額を気にする必要はないですよね。

 

しかし、パートやアルバイトの方は

どのように計算されるのか?

 

1.過去3ヶ月の賃金(給料)の合計額
÷その期間の働いた日数=金額

働く日数が月によって異なる方の場合には、

この方法が多いですね。

遅刻、早退や半日勤務など特別な日は除いて、

過去3ヶ月の働いた日の給料を、

働いた日数で割ります。

 

2.いつも1日働くともらえる賃金(給料)の額

シフト制など固定で勤務日数が決まっている場合には、

だいたいこの方法が使われます。

 

3.健康保険の標準報酬日額で算出する

社会保険に加入している方が対象となります。

働く方ひとりひとりに『標準報酬日額』という金額が

決められているのでその数字を使って計算する方法。

※社会保険に入っていないパートの方も多いので、

あまり使われないようです。

 

以上3つ、計算方法は働く職場によって

決まっています。気になる方は確認してもいいですし、

一度有休を取った際に給与明細を

確認してみるのもいいと思います。

 

有休という言葉が一般的ですが、

正式名称は『年次有給休暇』と言い、

労働基準法 第39条に規定されています。

 

その規定には

事業者は、労働者が請求した時季に、

年次有給休暇を与えなくてはならない」と

定められています。

 

つまり、法律上では働く方が会社に対して

有休を希望し申請をすれば

有休を取得できることになっています。

 

また、会社は、働く方が有休を請求した時季に

有休を与ることが事業の正常な運営を妨げる場合にのみ、

他の時季に年次有給休暇をえることができますが、

年次有給休暇を付与しないとすることはできません。

 

とは言え実際問題、

会社の業種によっては

「この時期に休まれると人手が足りなくなる」

業務上支障がでてしまう

ということも多いと思います。

 

有休を使う際には、社員の方にはもちろん、

パートの方同士、アルバイトの方同士で

サポートし合いながら上手に使って

いただければと思います。

 

ご参考になれば幸いです。