今回は

病気やけがで会社に行けない時にもらえる給付

についてお話いたします。

 

新型コロナウィルスやインフルエンザ、

花粉症など、メディアで報道されていますが、

そうでなくともこう日々の寒暖差が激しいと

体調も崩しやすいのも事実ですよね。

 

最高気温が20℃に達したかと思えば

翌日は10℃前後と目まぐるしく、

着ていく服にも困ってしまう今日この頃。

 

そこで今回は、

会社などで働いている方が病気やけがによって、

会社に行けない、働けない場合にもらえる給付金を

ご紹介したいと思います。

 

種類はいろいろとありますが、

健康保険制度から「傷病手当金」を、

労災保険(労働者災害補償保険)制度からは

休業(補償)給付」と「傷病補償年金」を

お話していきます。

 

注意していても、いつ体調を崩して会社に

行けなくなるとも限りません。

もしもの時のために働けない場合に役立つ国の制度、

所得保障となる給付を知っておきましょう。

 

 

健康保険の傷病手当金

会社などで働いている方が病気やけがによって、

会社に行けない、働けない場合にもらえる給付となりますが、

今日1日会社を休んだ程度ではさすがにもらえません。

 

4日必要です。

4日以上休む場合に対象となる給付となります。

 

ずる休みではもらえない制度ですので、

気を付けてください。

具体的に何を気を付けるのかと言えば、

休んだ日を慌てて有給休暇としないことです。

 

もし、病気やケガでお休みが長引きそうだな、

4日以上のお休みになりそうだなと

ご自身の体調と相談してそう感じたなら、

お勤め先の総務部などへ相談してみましょう。

 

給付の名称は、健康保険の「傷病手当金」となります。

ケガや病気への手当のためのお金という意味合いですね。

 

健康保険の「傷病手当金」は、

業務外の病気やケガを対象としているので、

仕事をしていない時や仕事のための通勤ではない時、

プライベートの時に発生した病気やケガが

対象ということになります。

 

ちなみに仕事中や通勤時の病気やケガは、

労災保険が適用されます。後ほどご紹介します。

 

この傷病手当金をもらうための条件は4つ

1)業務外に発生した病気やけがの治療のために

会社を休んでいること

2)仕事に就くことができないこと

3)連続する3日を含み4日以上

仕事に就けなかったこと

4)休んだ期間に給料の支払いがないこと

 

仕事をしている時や通勤途中の病気やけがは

対象外です。

仕事に就くことができないか否かは、

お医者さんの意見等を考慮して判断されます。

 

連続する3日間とは、

例えば、病気やけがで月火水と会社を休みました。

木曜も回復せずお休みすれば4日となり、

4日目から傷病手当金をもらうことができます。

 

仮に、木曜は出社して働いたが悪化してしまい

金曜を休んでしまった。

この場合も金曜を4日目として

傷病手当金をもらうことができます。

連続3日間休んだことが前提条件として

必要であるとおさえてください。

 

給料が支払われている場合は

所得保障の必要がないため、対象外となります。

給料の金額が傷病手当金の金額に満たない場合は

その差額をもらうことができます。

 

傷病手当金の金額については、

細かい計算式は省きまして、

ざっくりと言えば、過去1年間の月給の平均額を

30で割った金額の2/3です。

例えば、わかりやすく月の給料の平均額が

30万円なら1日10,000円となり、

その2/3なので6,600円程度となります。

 

もらえる期間は、

傷病手当金をもらい始めた日から

最長で1年6箇月となります。

 

病気やけがが治って働き始めれば

そこで終了になります。

 

ちなみに、

傷病手当金をもらっている状況での退職で、

健康保険に1年間加入していれば、

辞めた後も継続してもらうことができます。

 

労災保険の休業補償給付

業務外に発生した病気やけがのために

会社を休んでいると、健康保険の傷病手当金がもらえる。

では、業務内(仕事をしている時や通勤途中)に

発生した病気やけがの場合の給付はというと。

 

労災保険の「休業(補償)給付」となります。

仕事中の病気やけがの場合だと「休業補償給付」、

通勤中の病気やけがの場合だと「休業給付」という

名称になります。

 

給付内容はほぼ一緒です。

労災保険ですので、正社員の方のみならず

契約社員の方でもパート・アルバイトの方でも

条件に合えばもらうことができます。

 

この休業補償給付をもらうための条件は3つ

業務上で発生した病気やけがの療養であること

労働することができないこと

給料をもらっていないこと

 

傷病手当金の条件と似ていますね。

少し言い回しが違うのは健康保険と労災保険と

制度が異なるからですね。

 

仕事中や通勤時に病気やケガをしたら、

4日目から休業補償給付がもらえます。

連続する3日という条件はこちらはありません。

 

休業補償給付の1日当たりの金額は、

細かい計算式は省きまして、

ざっくり過去3ヶ月の給料の平均額を

30で割った金額の80%です。

 

細かい話をすれば休業補償給付が60%で

休業特別支給金が20%なのですが

セットでもらえますので80%と覚えてください。

 

先ほどと同じ例でいけば、

月の給料の平均額が30万円なら

1日10,000円となり、その80%なので8,000円が

支給となります。

 

健康保険の傷病手当金は2/3で

こちらは80%という違いがあります。

労災保険の方が手厚いわけですね。

 

もらえる期間は、最長1年6箇月、

病気やけがが治って働き出せば

そこで終了になります。

そして、治らない場合や一定の障害が残ると

傷病補償年金」という年金に

切り替わることもあります。

 

労災保険の傷病補償年金(長期療養の所得保障)

1年6箇月以上の長期の療養が必要になった時には、

労災保険の「傷病補償年金」が用意されています。

休業補償給付からの切り替えについては、

労働基準監督署の職権により決定されることになっています。

 

労災保険において定められている

「傷病等級(しょうびょうとうきゅう)」に

該当するとこちらの「傷病補償年金」に切り替わり、

1日いくらではなく、年額いくらという年金に

なるわけですね。

 

仕事中の病気やけがの場合だと「傷病補償年金」、

通勤中の病気やけがの場合だと「傷病年金」という

名称になります。

 

傷病等級の種類

傷病等級は1級から3級まであります。

症状が重い方が1級で軽い方が3級です。

 

「傷病等級表」という、

等級に応じた病気やケガの症状が記載された

一覧表があります。

 

傷病補償年金の金額については、

1級:給料と賞与を合わせた313日分と114万円

2級:給料と賞与を合わせた277日分と107万円

3級:給料と賞与を合わせた245日分と100万円

※114万円、107万円、100万円は一時金となっています。

 

給付基礎日額(給料1日分の計算)

給料の1日分を計算する時は

過去3か月の給料の総額を、

その期間の歴日数で割って指します。

 

賞与の1日分を計算する時は

過去1年間の賞与の総額を365で

割って出します。

 

例えば、給料と賞与を合わせた

1日分が1万円なら、傷病補償年金3級で

計算すると初年度の年額は345万円と

いうことになります。

 

他にも、年金制度などからの給付もありますが、

今回はこの傷病手当金・休業補償給付

・傷病補償年金の3つをご紹介いたしました。

 

ご参考になれば幸いです。