離職や転職をしたら年金はどうなるの?
簡単に年金制度の歴史をお話すると、確定拠出年金制度が日本に
導入されたのは2001年です。それまで、公的年金である厚生年金と
国民年金に加えて、働く人の年金上乗せ部分については
企業年金制度が一般的でした。
その当時は、新卒で入社した会社に定年まで働くことが
当たり前の時代だったのでしょう。
企業年金制度は、会社を辞めてしまうとその時点で積み立てた
年金資産は精算されるというのが通常の取り扱いでした。
しかし、今の時代は離職・転職は当たり前ですよね。
そんな終身雇用制度の崩壊を見据えての
確定拠出年金制度の導入かと思います。
今回は「離職や転職をしたら年金はどうなるの?」
についてお話いたします。
ポータビリティ
離職や転職をしたらイデコの年金資産はどうなるのか。
イデコには「ポータビリティ」と呼ばれる制度があります。
これまで増やしてきた年金資産の持ち運びができる制度です。
企業型の確定拠出年金に加入していた人が会社を辞めた場合、
勤務先で加入してていた企業型確定拠出年金の加入資格は喪失します。
しかし、新たな転職先に確定拠出年金制度があれば、今までの年金資産を
移して運用を続けることができるという制度です。
このポータリティ制度には注意して欲しい点があります。
企業型確定拠出年金からイデコ個人型確定拠出年金へ
離職や退職をして、企業型からイデコ個人型に変わる場合には
注意が必要です。
まず、新たな運営管理機関を選んで口座を開設して、
そこへこれまでに増やしてきた年金資産を移す
「移換」の手続きをすることが必要です。
この手続きには期限があって
企業型の資格喪失から6か月以内に手続きをしないと、
年金資産はすべて現金化されて国民年金基金連合会に自動的に
移換されてしまいます。現金になってしまうので運用されずに
そのまま預かってもらっている状態となります。
では、企業型からイデコ個人型に変わる場合とは
どんな人が該当するのか。
企業型確定拠出年金からイデコ個人型確定拠出年金に変わる人
1.転職先が企業型確定拠出年金のない会社で会社員になる方
2.離職後は、公務員になる方
3.離職後は、自営業者になる方
4.離職後は、専業主婦(主夫)になる方
この場合はイデコ個人型に加入となりますので
さきほどの年金資産の移換の手続きをお忘れなく。
転職先が企業型を実施している会社で会社員になる方の場合は
企業型の規約の定めなどに応じて加入形態が変わりますので
転職先の会社で確認してみてください。
ご参考になれば幸いです。