今回は

60 歳前後の働き方で変わる年金制度

についてお話いたします。

 

60 歳と聞いて連想する言葉は

『還暦』や『定年』

などではないでしょうか。

 

働き方を見直したり、

働き方を変えたりする方も

多いかと思います。

 

仕事から離れて一定期間

経過してから動き出す方や、

心機一転違う環境にて仕事をする方、

仕事量を少なくしてプライベートを

充実できるようバランスをとる方など

様々かと思います。

 

年金制度は 60 歳前後で加入する

制度が異なります。

年金の制度自体は国民年金と

厚生年金の2つなのですが、

60 歳前後で働き方を変えた場合、

少し複雑になるのです。

 

 

働き方をどのように変えるのか、

その時の年齢によって変化する

年金制度への加入について

お話をしていきます。

 

一旦会社を辞めて身体を休めてから次を考えよう、

または個人で何かを始めようという、

厚生年金には入らない生活を選択した方のケース①、

心機一転、転職やお知り合いの会社などで働く、

厚生年金へ加入しながら働く方のケース➁、

働くけれど無理はせずに週に2日か3日で

働こうかなというケース③、

旦那さんや奥さん(配偶者)の扶養に入る場合のケース④、

これら4つのケースに分けて、

さらに年齢別、60歳未満、60~64歳、65歳以降に

ついて解説していきます。

 

すぐには働かない・個人で事業を始める

一旦休憩してから次を考えよう、

個人で仕事をしよういう場合です。

 

60 歳未満の場合には、

60歳まで国民年金に加入となります。

厚生年金の加入から外れて、

国民年金の『第一号被保険者』となります。

 

手続きはご自身で行う必要があり、

お住いの市区役所・町村役場で行います。

退職した日の翌日から 14 日以内です。

 

基礎年金番号が必要になりますので、

年金手帳か基礎年金番号通知書を

お手元に用意しておきましょう。

 

令和 3 年度の国民年金保険料は

月額 16,610 円となっています。

 

60 歳以上は国民年金への加入はなく、

年金を受け取る側に回ります。

 

その後 65 歳になると、

国民年金から『老齢基礎年金』

厚生年金から『老齢厚生年金』

がもらえます。

 

『年金請求書』が届きますので、

受け取る場合は必要事項へ記入をして

添付書類とともに提出します。

 

受け取らない場合

すなわち『繰下げ』制度を使う時は

提出せずに保管しておきましょう。

 

繰下げとは、

65 歳から年金を受け取らずに、

受け取る年齢を後ろへずらすことで

年金額を増やせる制度です。

 

例えば、65 歳から受け取らずに

1年待って 66 歳からもらう場合、

65 歳からもらう年金額の

8.4 %増額された年金となります。

 

増額された年金を

一生涯もらうことができます。

 

『繰下げ』を利用する場合には、

65 歳前に届いた『年金請求書』を

提出せずに手元に取っておく必要があります。

 

厚生年金へ加入し働く(引き続き働く)

転職やお知り合いの会社などで働く、

厚生年金へ加入しながら働く場合のお話です。

引き続き会社などで働く場合には、

60 歳という境目は特にありません。

 

厚生年金には現在 70 歳まで加入です。

手続きは就業先の会社がします。

 

厚生年金の保険料は、

ざっくり給料などの金額

18.3%となっています。

 

会社が半分負担しますので

9.15 %分が保険料額となり

給料から天引きとなります。

 

60 歳から 64 歳については、

一定の条件に合う方には

60 歳代前半から受け取れる

『特別支給の老齢厚生年金』

があります。

 

『特別支給の老齢厚生年金』をもらい

給料も合わせて受け取っている方は

『在職老齢年金』に適用となる場合があります。

 

現在だと、給料の金額と

特別支給の老齢厚生年金の合計額が

月額 28 万円を超えると年金の金額が

減らされてしまいます。

 

65 歳になると、

国民年金から『老齢基礎年金』

厚生年金から『老齢厚生年金』

がもらえます。

 

65 歳以降も引き続き会社などで働く方は、

『在職老齢年金』制度も引き続き適用

となる可能性があります。

 

ただし、65 歳以上の方は、給料の金額と

65 歳からの年金の合計額が

月額 47 万円を超えた場合に年金の金額が

減らされることになっています。

 

65歳以上は『47万円』で

65歳未満は『28万円』です。

※法改正によって、

2022年4月からは『47万円』に統一されます。

 

週に2日か3日か働く

厚生年金に加入となるか否かが

ポイントとなります。

 

厚生年金に加入しないのであれば

1つ目のケースとなり、

厚生年金へ加入するのであれば

2つ目のケースとなります。

 

厚生年金へ入ることとなる条件は、

1週間の働く時間が 20 時間以上や

月の給料が 88,000 円以上などが

主なところです。

 

配偶者の扶養に入る

会社を辞めたら専業主婦(主夫)

となるなどの場合です。

 

60 歳未満の方については、

すでにご紹介した通り 60 歳までは、

国民年金に加入となります。

 

しかし、例えば会社員の旦那さんなどの

扶養に入る場合には

『国民年金の第三号被保険者』

となります。

 

この第三号被保険者になると

国民年金保険料の負担はありません。

旦那さんが支払っている

厚生年金の保険料に奥さんの

年金保険料も含まれています。

 

第三号被保険者の手続きは

旦那さんの会社へお願いしましょう。

 

60 歳から 64 歳の方には、

一定の条件に合えば 60 歳代前半から

もらえる『特別支給の老齢厚生年金』

があります。

 

65 歳になると、

国民年金から『老齢基礎年金』

厚生年金から『老齢厚生年金』

がもらえます。

 

ご参考になれば幸いです。