今回は

死亡の推定』と『失踪の宣告

についてお話いたします。

 

これまでお話をしてきた遺族年金。

亡くなった方の遺族が貰うことになりますが、

亡くなったのかどうかわからない場合には

どのような取扱いになっているのでしょうか。

 

 

例えば、

旅行中、不運にも飛行機が墜落してしまった、

船が沈没してしまった。

 

これらの事故によって行方不明になった場合

国民年金法や厚生年金保険法では

このようになっています。

 

1)死亡したかどうか3ヶ月間わからないとき

 

2)3か月以内の死亡が明らかであるが
死亡時期が分からないとき

 

その事故や行方不明になった日に

死亡したものと推定し、受給権が発生する。

遺族年金を貰える権利がその日に発生することになります。

 

気をつけたい点は「死亡を推定する」という規定なので、

その後、行方不明になっている方が見つかった場合、

遺族年金を返還しなければならないこともあります。

 

そして、

 

似たような規定に「失踪の宣告」があります。

こちらは民法の規定ですので、要点だけお伝えすると

 

1)生死が7年間わからないとき

 

2)船が沈没して生死がわからず
その事故から1年間が経過した時

 

遺族の請求によって失踪の宣告がなされた時は、

家庭裁判所の決定により死亡したものとみなされます。

 

推定とは違って「みなす」となりますので、

法律上確定するという意味合いです。

 

遺族年金については、

判断する期間を3ヶ月と短くして柔軟に対応できるよう

死亡の推定』という規定がある。というお話でした。

 

ご参考になれば幸いです。